6. ペット医療費を年金家計の「固定費」に組み込む考え方
ここからは、シニア期の犬猫と暮らす年金家計で、ペットの医療費をどう位置づけて考えるかを整理してお伝えします。ペット保険を検討するかどうかの判断軸として参考にしてみてください。
6.1 予測しにくい医療費は年金家計に響きやすい
年金暮らしになると、毎月の収入がほぼ一定となります。だからこそ、突発的に発生する数十万円単位の支出は、生活に大きな影響を与えることになります。
ペット保険に加入することは、その予測しにくい医療費の一部を、月々の保険料という「固定費」に置き換える工夫のひとつになります。
6.2 保険料と自己負担のバランスの見方
保険料が高いプランほど自己負担は抑えられますが、月々の家計への圧迫は大きくなります。逆に保険料を抑えると、いざというときの自己負担が増えます。
「年金の中から毎月いくらまでなら保険料に回せるか」を先に決めておくと、プラン選びがしやすくなります。
7. 【年金収入でやりくり】ペット保険料をどう組み込むか
シニア期の犬猫と暮らす年金世代において、ペット保険料をいくらまでなら無理なく続けられるか、という視点は避けて通れません。実際の年金額を出発点にして考えていきましょう。
7.1 厚生年金と国民年金の平均月額を出発点に
厚生労働省が公表している年金の平均月額を確認すると、厚生年金は月15万円前後、国民年金は月5万円台となっています。夫婦2人でどちらも受給している世帯と、ひとり暮らしで国民年金のみの世帯では、家計の余力に大きな差が生まれます。
自分の年金額が実際にどれくらいなのか、まずは「ねんきん定期便」や「年金振込通知書」で確認しておきましょう。
7.2 額面と手取りは違うことに注意
年金の額面と、実際に振り込まれる手取り額には差があります。所得税・住民税や、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料などが天引きされるためです。
「額面20万円」と思っていても、手取りは17万円台になっているケースもあります。ペット保険料を月々の家計に組み込むときは、必ず「手取り」ベースで考えるようにしましょう。
年金額の年代別平均や、手取りと額面の違いについては、こちらの記事でもくわしく解説しています。
7.3 ペット保険料は「毎月安心して払える額」で決める
家計の中でペット保険料に回せる額は、無理をせずに毎月続けられる範囲で決めるのが基本です。補償を厚くしたい気持ちと、毎月の支払いが続けられるかどうかのバランスをとる意識が、シニア期の年金家計では特に大切になります。
先に「毎月◯円まで」という上限を家計の中で決めておくと、各社のプランを比較するときの物差しになります。プラン選びで迷ったときは、その上限に立ち戻って判断できます。
8. まとめ 早めのタイミングで検討する意味
シニア期の犬猫の医療費は、人の医療と違って全額自己負担が原則です。年金世代にとっては、突発的な数十万円単位の支出をどう受け止めるかが、備えの中心テーマになります。
ペット保険は「万一の医療費」を月々の固定費に置き換える工夫のひとつです。加入できる年齢や補償内容には会社ごとに大きな差があるため、検討のタイミングは早いほど選択肢が広がります。
愛犬・愛猫との時間を安心して過ごすためにも、健康なうちに複数社の内容を見比べる時間をとってみてはいかがでしょうか。
参考資料
- アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書2025」
- 一般社団法人日本損害保険協会「ペット保険について」
- 一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」
- 金融庁「少額短期保険業者について」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」
太田 彩子
