厚生労働省が2026年(令和8年)8月7日に公表した最新の「令和7年度収支決算の概要」では、時価ベースの年金積立金が過去最高の302兆5893億円に達したことが明らかになりました。

村岸理美
公的年金の財政状況に注目が集まるなか、将来自分が受け取る「国民年金や厚生年金の受給額平均」が実際にいくらになるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。同決算資料によると、厚生年金の被保険者における平均標準報酬月額は33万5千円となっており、将来の受給額を左右する現役世代の最新の報酬動向も示されています。

本記事では、これら最新の年金決算データも交えながら、国民年金と厚生年金の平均受給額のリアルな現状について分かりやすく解説します。

この記事の3つのポイント

  •  100人の国・1日のデータから見る、今の日本の多様な働き方と社会保障の背景
  •  厚生年金と国民年金の現在の「平均受給月額」と、地域によって約4万円の差が出る理由
  •  将来の不安を安心に変えるための具体的な3つのアクション

1. 「100人」と「1日」のデータで見る、日本の多様な働き方

日本の社会保障制度を考えるうえで、ベースとなるのが「人口」と「働く人の状況」です。

厚生労働省の「令和7年版厚生労働白書」では、今の日本社会を分かりやすくイメージできるよう、日本を「100人の国」に置き換えたデータが紹介されています。

  • 65歳以上の人:29.3人
  • 老齢年金(原則65歳から受け取れるベースの年金)を受け取っている人:27.9人

さらに、働く人たちの内訳に目を向けると、状況は大きく変化しています。

  • 仕事についている人:54.8人
  • 正社員:29.5人
  • パートタイム:8.3人
  • アルバイト:3.8人
  • 週35時間未満で働く人:18.7人

また、同じく白書内の「日本の1日」というデータを見ると、1日に1874人の新しい命が生まれる一方で、4386人が亡くなっており、1日あたり2512人ずつ人口が減少している計算になります。

高齢者が人口の約3割を占め、働き方も正社員だけでなくパートやアルバイトなど多様化しています。育児や介護、ご自身の体調やライフスタイルの変化に合わせて、一人ひとりが自分に合った働き方を選択する時代になりました。こうした「働き方の多様化」は、これからの社会保障制度をアップデートしていくための重要な背景となっています。