4. 【早見表】「保険料を払えない時」はどうする?《納付・免除・猶予・未納》老後への影響は?
さて、ここまでの4つの工夫は、いずれも「保険料を納めている」ことが前提です。
収入が減って納付が難しい時期に「申請して免除・猶予を受けるか、放置して未納にするか」この違いが将来の年金額を大きく左右します。
ポイントは、免除も猶予も「申請さえしておけば」受給資格期間(10年)に算入されること。
万一のときの障害年金・遺族年金の保険料納付要件でも不利になりにくく、あとから追納して満額に近づける道も残ります。一方の未納は、そのどれにも数えられません。
2026年度の満額84万7296円で計算すると、未納1年あたり年約2万1182円の減額。学生時代の2年間を未納のままにすると、65歳から30年間受け取る場合で約127万円の差になります。
追納できるのは10年以内。しかも承認から3年度目以降は加算額が上乗せされるため、思い立ったら早めに動くのが得策です。
5. さいごに
年金には、受給額を増やせる繰下げ受給や、支払う保険料をおさえられる国民年金前納割引といった制度があります。
「老後資金に余裕がある」「まとめて支払うお金がある」という方は、このような制度をうまく活用するのもいいでしょう。
ただし、繰下げ受給をする際は「何歳まで生きたらお得になるのか」を考えておくことが大切です。年金受給をスタートするまでの生活費も、自力で準備しなくてはなりません。
また、年金額が増えれば税金や社会保険料の負担も増えるため、手取りベースでの増加率は額面ほどではない点に留意が必要です。いったん繰下げ受給を始めると取り消しや変更ができませんので、慎重に検討しましょう。
長い老後を見据えたマネープランはできるだけ早めに意識しながら、資金形成を進めていきましょう。
「物価が上がれば年金も同じだけ増える」と思われがちですが、実際には少子高齢化にあわせた調整が入り、年金の伸びは物価上昇に追いつきません。
現金の価値が目減りするインフレ下では、公的年金だけに頼らない「資産防衛」が求められます。
「まだ先のこと」と後回しにせず、少額から始められる付加年金やiDeCoなど、今日からできる一歩を踏み出すことが、未来の自分を助ける強力な盾となるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「国民年金保険料の前納」
- 日本年金機構「国民年金保険料の「2年前納」制度」
- 日本年金機構「付加保険料の納付」
- 「全国国民年金基金」
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均」
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)6月分」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額は前年度からどのように改定されたのですか。」

