5. バリュエーション評価:急伸後のJT株はどんな水準にあるのか
2026年8月13日終値7,068円をもとにした指標は以下のとおりです。
- PER(会社予想):19.48倍
- PBR(実績):2.86倍
- 配当利回り(会社予想):3.85%
増配もあって株価急伸後でも配当利回りは4%近い水準となっています。
5.1 JT株の12カ月チャート
ここ1年の値動きをみると、昨年の秋から今年初夏にかけて6,000円前後でもみ合ったのち、7月30日の中間決算をきっかけに初めて7,000円を突破しました。
6. 配当の状況:年間配当は272円に増額、配当性向は75.2%
JTは中間決算の発表にあわせて、配当予想を上方修正しました。
- 2025年12月期(実績):中間104.00円+期末130.00円=合計234.00円
- 2026年12月期(予想):中間136.00円(9月1日支払開始予定)+期末136.00円(予想)=合計272.00円(予想)
前期実績からは38円の増配となる計算です。なお同社は、カナダの現地子会社JTI-Macdonald Corp.を被告に含む喫煙と健康に関する訴訟の和解に伴う和解金の分割支払い分を調整した後の当期純利益(6,420億円)を基準に、配当性向75.2%を用いて今回の配当予想を算定しているとしています。
通期の業績予想についても、売上収益・営業利益・最終利益のいずれも上方修正されており(売上収益3兆8,850億円、営業利益1兆80億円、最終利益6,440億円)、今回の増配は一過性ではなく、業績改善を反映した措置と言えそうです。
もっとも、配当予想は今後の為替動向や規制環境の変化などにより見直される可能性がある点には留意が必要です。
7. 記者コメント
医薬事業を切り出し「たばこ一本足」となったJTですが、中間決算はAsia・Western Europe・EMAの全クラスターで増収増益となる内容でした。特にEMAクラスターの伸びの大きさが目立ち、値上げやプライス・ミックスの改善が業績を支えている構図がうかがえます。
決算後に株価は年初来高値を更新し、その後も高値圏を維持していますが、通期予想の上方修正と38円の増配というポジティブな材料が出尽くした後の株価動向には注目したいところです。
参考資料
【免責事項】
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください
高原 祥子
