数々の不満はあっても、せっかく入れた安定した会社。今より条件がよくなる会社に巡り合えるかそれもまた心配です。だったら我慢し続けたほうが幸せなのでは。そんな言葉が頭の中で何度もよぎります。

実際、大企業を辞めた人は次にどのようなキャリアを積んでいるのでしょう。

国内金融機関→外資系金融機関

大手国内金融機関に勤めましたが、毎日決まった作業・お昼まで同じメンバーという閉ざされた空間に疑問を感じ、転職を決意。閉塞感のなさそうな外資系金融機関に挑戦することにしました。わずか2年という短い経歴がどう評価されるか心配でしたが、マイナス評価の対象にはなりませんでした。

むしろ、国内系の銀行や証券会社にいた経験は強みになったともいえます。転職することをネガティブにとらえない業界に出合えたため、思い切って辞めてよかったです。

大手システム開発会社→地方公務員

システムエンジニアとして大手企業に勤務していました。しかし、残業はもちろん、家に帰れないことも多い日々。相手先への直行直帰が続き、自分はどこの会社の社員なんだろうと考えるようになってしまいました。体を壊しかけたタイミングで夫と結婚、退職しました。

子どももまだいなかったので、体調が戻った後また働きたいなと思ったのですが、あの業界に戻る気持ちになれず、以前から興味のあった地方公務員の試験を受けてみたところ、社会人経験枠で採用が決定。転勤はあるものの自治体の中からでることもなく、その後産休・育休もしっかり取り職場に復帰できました。その時大手であっても、今の時代ずっと大手でいられるかもわからないので、長い目で見て公務員になれたことはメリットだったかも。

このように、みんなが憧れる会社から飛び出した後でも、自分によりよい道を見つけ輝けたという人もいます。ただ、どちらも退職の際に周囲から「もったいない」といわれたとのことで、日本社会はまだ「大企業至上主義」ではあるようです。ちなみに、収入面においても大幅ダウンにはならなかったといいます。

まとめ

学生時代の就職活動は、どうしても「有名企業」に憧れがち。しかし、誰もが有名企業・大企業に向いているわけではないことは、意外と見落とされているようです。地元が好き、定時であがって趣味を充実させたいなど、ライフプランは人それぞれ。知名度や高収入以上に大切にしているものを見極め、自分にあった環境に身を置けるといいですね。

LIMO編集部