昨今のニュースで目にするのは教師の犯罪だったり、モンスター教師の話だったり…。なんとなく、「教師なんて信用できない」「教師を信用してはダメ」という風潮になっているような気がします。
確かに「こんな人に子どもを任せていいものか…」と思わずにはいられない教師がいるのも事実です。しかし、中には、「先生に救われた」「先生と出会ってよかった」と子どもたちが感じている先生だっているのです。
私も先生に救われたひとりです
筆者はとにかく自己肯定感の低い小学生でした。「どうせ自分なんか」と言う気持ちがとても強く、いつも卑屈で今思い返しても、可愛げのない暗い子どもだったと思います。
休み時間はいつもひとり、図書室で本を読んでいた筆者に声をかけてくれたのは、小学6年生当時の担任の先生でした。
「君はいつもたくさん本を読んでいるから、言葉をたくさん知っているね。国語ではいつもするどい発言をするね」
今まで先生に褒められたことなんてなかったので、びっくりして言葉が出ない筆者に先生はこう続けました。
「本をたくさん読むのは本当にいいことだ。本をたくさん読んでいる君は、とても立派だよ。お友達に、どんな本がおすすめか、今度教えてあげなさい」
いつも「本ばかり読んでないで外で遊びなさい」と言われていた筆者。そのときの先生の言葉がとても嬉しかったのを覚えています。卒業文集の将来の夢の欄には「作家になりたい」と書き、先生は「がんばりなさい。本をたくさん読みなさい」とおっしゃってくれました。
本が大好きなのはいいことなのだ、本をたくさん読むことは自分の長所なんだ、と気付かせてくれた担任の先生。
「本ばかり読んで…」と言われ続けた小学生に、「本をたくさん読みなさい」と言ってくれた先生。あのときの先生の言葉は、今でもずっと宝物となっています。