2026年8月31日、こども家庭庁より最新の「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」が公表され、働く女性を取り巻く環境に改めて注目が集まっています。
パートなどで働く人が気にすることの多い「106万円の壁」や「130万円の壁」という言葉ですが、今後の制度見直しによって働き方の前提が大きく変わるかもしれません。これまで短時間労働者が勤務先の社会保険に加入する要件の一つに「所定内賃金が月額8万8000円以上(年収換算で約106万円)」がありましたが、この賃金要件は2026年10月に撤廃される予定です。
今回は、社会保険(健康保険や厚生年金など)に関する2つの壁の違いと、働く女性を取り巻く最新の現状について解説します。
- 106万円と130万円の「年収の壁」の決定的な違い
- 2026年最新の「待機児童数ランキング」と保育ニーズの変化
- 出産や介護による離職の現状と、国が検討する支援策
1. 2026年に向けて見直される「106万円」の賃金要件
まずは、よく混同されがちな「106万円の壁」と「130万円の壁」の違いを整理しましょう。どちらも社会保険に関する基準ですが、目的が異なります。
- 106万円の壁: 自分が勤務先の社会保険に加入する基準(自分で保険料を払うかどうか)
- 130万円の壁: 配偶者などの社会保険の扶養に入れる基準(家族の扶養に残れるかどうか)
これまで短時間労働者(パートやアルバイトの方など)が勤務先の社会保険に加入する要件の一つに、「所定内賃金が月額8万8000円以上(年収換算で約106万円)」という基準がありました。しかし、この賃金要件は2026年10月に撤廃の予定です。
今後は「年収106万円を超えるか」ではなく、週の所定労働時間が20時間以上であるかなどの条件がより重要になります。当面は従業員51人以上の企業が対象という規模要件が残りますが、こちらも段階的に縮小される見通しです。
1.1 「130万円の壁」は原則として残る見込み
一方で、配偶者などの社会保険の扶養に入るための「年収130万円未満」という基準は、今後も原則として維持される見込みです。勤務先の社会保険の加入条件を満たせば、年収130万円未満であっても自分で加入することになりますが、条件を満たさない場合は、引き続きこの「130万円」が扶養判定のひとつの目安となります。
2. 2026年最新「待機児童数ランキング」女性の就業率(25〜44歳)は8割超
制度が変わる背景には、女性の就業環境の変化があります。こども家庭庁が2026年8月31日に掲載した「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」によると、2025年の女性の就業率(25〜44歳)は83.6%に達しました。共働き世帯の割合も79.7%と高く、共働きを選ぶ家庭が増加傾向にあることがわかります。
もちろん、ご家庭の事情により働き方は多様であり、どれも等しく尊いものですが、社会全体としては働く女性が増えているのが実情です。
就業率の上昇に伴い、保育ニーズも変化しています。2026年4月1日時点の待機児童数(保育所に入りたくても入れない子どもの数)は2435人と、前年から181人増加しました。ピークだった2017年の2万6081人に比べれば大幅に減っているものの、減少傾向が反転した点には注意が必要です。
増加の理由としては、保育士不足によって定員通りの受け入れができない施設があることや、マンション開発などによる地域的な需要の偏りが挙げられています。
