相手の様子を見ながら言葉とタイミングを選んで話したり、感謝の言葉を伝える……。こういったコミュニケーションは、普通の日常生活が過ごせて初めてできること。0~2歳育児中にでできるかといったら、今思い返しても、難しいと思います。

ワンオペ育児、核家族、共働きとなると、さらに女性の負担が多く、困難に。ましてや、夫が家事育児に協力的でなかったら、日常生活さえまともに送れない女性側は、どうしても不満を感じます。

大らかな気持ちで夫を見ることができるようになり、コミュニケーションを工夫するためにも、睡眠や休息が必要不可欠なのです。

「できないことはできない」と言えば前へ進める

仕事・家事・育児を、夫婦2人で担う現代。昔に比べて生活や夫婦関係も想像以上に変化した今、大切なのは「無理なことは無理」と主張することだと思っています。

「何でも女性が頑張れ」というには負担が大き過ぎる時代ですが、それでも頑張り続け、疲弊する女性は少なくありません。しかし、心身に余裕がなければ、仕事・育児・家事共にうまく回らないでしょう。

特に3歳までの育児は、女性が日常生活さえまともに過ごせないことは、周知されると良いでしょう。「できないことはできない」と明確にすることで、健全な対策を取ることができるからです。

わが家は夫に限界を伝えることで、まずは家事育児の分担といった物理的な協力を少しずつ夫にも頼むようにしています。とはいえ帰りが遅いこともあるので、一時保育やファミサポといった外部のサービスも使用しています。物理的な負担を夫婦で分担していくと、少しですが余裕のある日も生まれるものです。

まずは、できないことはできないと言うこと。そこから次の一手として、その家庭なりの工夫を夫婦で話し合えるといいのではないかと思います。

宮野 茉莉子