子育てをしていて悩んだりわからないことがあったりすると、頼りたくなるのが子育て経験者からの言葉。実際に経験したからこそできる寄り添いや具体的なアドバイスは、困りごとを解決してくれたりふっと心を軽くしてくれたりするものです。

一方で、励ましのつもりの言葉にかえって傷ついてしまうことも少なくありません。筆者の経験をお話します。

「1人だけなら楽勝だよ!」には励まされた気持ちがしなかった

現在1歳の子どもを育てている筆者は、友人Aと先日お茶をしました。Aは6歳と4歳、そして5カ月になる娘を持つお母さん。お互いに結婚前からの友人同士ですが、今では話題はほとんどが子育てのことになっています。

お茶をしている時、筆者が「子どもの発熱でよく保育園から呼び出されてしまい、看病や職場に仕事を融通してもらうことが増えてきて参っている」という話をしたことがありました。働くお母さんのあるある話に深く頷いてくれたAでしたが、ふと「でも今思うと、1人だけならなんでもラクチンだったな。長女だけの時は記憶があるけど、次女が生まれたばかりの時は忙しすぎて記憶ない!」と続けました。

さらに子連れでのお出かけの話になり、筆者が子どもを連れて家族で温泉に行ったものの子どものお世話が大変で全然楽しめなかったことを言うと、「いや、1人だけなら本当に楽勝だよ! 2人目考えているなら、今こそ子連れ旅行とか思いっきり楽しめると思う。私ももっと行っておけば良かったよ」とアドバイスをくれたAでした。

子育てが始まったばかりの筆者を「大丈夫だよ!」と励まそうとしてくれていたA。乳児を含む3人の子育ては、筆者の大変さとは比べ物にならないくらい本当に大変なのだろうと、話を聞きながらAにはしみじみ尊敬の念を抱きました。しかし同時に「私にとっては、たった1人の子育ても今はとても大変なんだけどな」と感じてしまったのも事実です。

3人の子育てを経験していない筆者にとっては、Aの大変さは本当の意味では理解できないので自分と比較はできません。しかし、子ども1人だけだとしても生まれて初めて経験している子育ては、筆者なりにキャパシティギリギリでなんとか頑張っています。悪気がないことは重々承知していますが、なんとなくその頑張りを軽く見られてしまった気がして少し傷ついてしまったのです。

実母から言われた「子育ての本当の大変さは思春期以降」

先日、子どもと2人で帰省をした筆者。子どもが手づかみ食べやスプーン食べをしたがる月齢になってきて、食事の時には食べ物があちこちに散らばるので毎食後の掃除が大変だという愚痴を、母にこぼしました。