①趣味の用事のときだけ外出する人は推定24万8000人(準ひきこもり)
②近所のコンビニなどに出かける人は推定27万4000人(狭義のひきこもり)
③「自室からは出るが家からは出ない」と「自室からもほとんど出ない」を合わせた人の推計は9万1000人(狭義のひきこもり)
①から③を合わせた「広義のひきこもり」は61万3000人に上ります。また、ひきこもりになった主な原因としては、「退職(定年退職)」「人間関係がうまくいかなかった」「病気」「職場になじめなかった」などが挙げられています。
特に就職氷河期で大学卒業後にうまく就職先を見つけられず、非正規やパートの仕事しかなく、結婚もできず、ひきこもりになってしまったケースも目立つようです。
同調査では、ひきこもりを始めてから7年以上になるという人が半数ちかくいることも分かりました。また、父または母が生計を立てている割合は34.1%となっています。
この人たちがこのままの状態で親世代が亡くなれば、生活保護受給者となることも十分に考えられます。これを支える社会保障費のしわ寄せは若い世代にくるため、ひきこもりの人たちが社会復帰できるような対策を立てることは急務だと言えるでしょう。
女性のひきこもりも意外と多い
また、「ひきこもり=男性」というイメージが強いかもしれませんが、同調査によると、広義のひきこもりの23.4%が女性。これまで女性のひきこもりは、「家事手伝い」として実家にいたとしてもあまり深刻な問題になりにくかったようです。
しかし、職場での人間関係に悩んだ結果退職したり、メンタルが弱く働くことができなかったりと、さまざまな事情でひきこもりに陥るケースがあるといいます。
一昔前は女性は結婚さえしてしまえばなんとかなるという風潮もありましたが、最近では共働きが当たり前になっているため、働いて稼ぐことができない女性は婚活市場から淘汰されてしまいつつあるのかもしれません。「仕事も上手くいかず、結婚もできず、実家にひきこもるしかない」という状況は今後さらに増えていく可能性もあるでしょう。
おわりに
社会問題として認識されつつある中高年のひきこもり。親の収入や年金に頼っていると、親の死後は一気に生活が行き詰まることが予想されます。このままだと生活保護の受給者が増加し、それを支える若者の負担がますます増えてしまうでしょう。ひきこもりになってしまった人の自立支援を真剣に考える時がきているのではないでしょうか。
LIMO編集部