3. 70歳代以上の年金で暮らす2人以上世帯「家計収支はマイナス」月々の不足3万円以上

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要」によると、70歳代の二人以上の無職世帯における家計収支は以下のとおりです。

<70~74歳の無職世帯の家計収支>

  • 可処分所得:24万8599円
  • 消費支出:28万5844円
  • 収支:▲3万7245円

<75歳以上の無職世帯の家計収支>

  • 可処分所得:22万1235円
  • 消費支出:24万8460円
  • 収支:▲2万7225円

いずれの年代も毎月の収入だけでは支出をまかなえず、赤字が出る状況となっています。

老後を迎えたからといって、支出が大幅に減るわけではありません。食費や光熱費といった生活に必要な支出は現役時代と大きく変わらず、むしろ医療や介護に関する費用は増加する可能性があります。

一方、収入は年金が中心となり、現役時代と比べて少なくなることが一般的です。毎月の赤字は貯蓄から取り崩すこととなるため、現役のうちから取り崩しに耐えられるだけの資産を計画的に築いておくことが大切です。

4. 【元銀行員からアドバイス】大切なのは老後の生活設計を具体的に行うこと

人生100年時代と言われる現在、多くの人が老後の生活に対する不安を抱いています。しかし、その不安を紐解いてみると、「将来いくら必要なのかが分からない」という不確かさが原因であるケースがほとんどです。

つまり、不安の正体は「金額の大きさ」ではなく「見通しが立っていないこと」にあるといえます。老後の不安を和らげるためには、まず自分のライフプランを具体的に描いてみましょう。

たとえば、何歳まで働くのか、年金はどれくらい受け取れそうか、住宅ローンがあれば何歳までに完済する予定か。こうした問いにひとつずつ向き合うことで、老後に必要なお金が具体的に見えてくるはずです。

「何歳までにいくら必要か」ということが具体的に把握できれば、あとは今の自分にできることが自然と見えてきます。老後に必要な資金は家族構成や働き方、年金額などによっても異なりますので、まずは自分のライフプランを書き出してみることから始めてみてください。

記事にある通り、老後の収支が毎月赤字になることは珍しくなく、貯蓄の計画的な取り崩しが前提となります。現役時代から「ねんきん定期便」などで将来の受給見込額を把握し、早めにNISAやiDeCoなどを活用した資産形成を始めることが重要です。まずはご自身のライフプラン表を作成し、将来のキャッシュフローを見える化することから取り組んでみましょう。
村岸理美

参考資料

椿 慧理