日経平均は9連騰で一時22,000円台を回復

2019年9月13日の日経平均株価の終値は、前日より228円68銭高の21,988円29銭となりました。9日続伸です。9連騰は、2017年10月2~24日の16連騰以来の長さです。また、13日には一時22,019円と、22,000円台を回復しています。ちなみに13日の終値は令和に入ってからの最高値となりました。

背景はいくつかあります。まず米中の貿易摩擦リスクの後退です。ムニューシン米財務長官が米中の通商交渉が進展しているという見解を示したほか、トランプ大統領も中国との交渉を巡り「暫定合意」を検討していると語ったことが投資家に好感されました。

また、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の再開もありました。日本株に関してはさらに、第4次安倍再改造内閣が始動したことへの期待もあり、買いが広がりました。

今週以降の動きはどうなるでしょうか。9連騰や節目となる22,000円超えなどから、上昇トレンド回帰への期待が高まるところです。

13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は8日続伸し、前日比37ドル07セント高の27,219ドル52セントと、1か月半ぶりの高値となりました。

為替相場もこれまでリスクオフの動きによりドルが売られ円が買われる傾向がありましたが、足元では円売り・ドル買いの動きになっており、円安傾向にあることも日本株にとっては追い風です。週初から買われる展開になることも期待できます。ただし、16日は敬老の日の祝日で国内株式市場は休場です。

頼もしいのは、これまで東証1部売買代金の2兆円割れが続いていましたが、ここに来て商いが増えていることです。11日、12日の売買代金は2兆7000億円にまで回復。さらに13日の売買代金は3兆3348億円と大商いでした。こういった点からも相場の流れが変わりつつあると考えていいのではないでしょうか。

重要イベントとしては、17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれますが、0.25%の利下げが確実視されており、市場では織り込み済みと考えていいでしょう。

200日線など主要な移動平均線を上抜ける

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は25日移動平均線、75日移動平均線を上抜けたあたりで終え、先週ここを維持できるかがポイントでした。実際にはその後も陽線が続き、200日線も回復し、大きく上昇しました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。チャートの形は、さらなる上昇への期待を感じさせます。ポイントとしては複数の移動平均線を上抜けたこと。また、25日線が75日線に近づき、ゴールデンクロスが形成されようとしています。

さらに、直近の上値メドになっていた7月25日の高値(21,823円)を超えたことにも注目です。これにより、4月24日の高値(22,362円)と7月25日の高値を結ぶ下降トレンドラインも上抜けました。このまま7月25日の高値付近で下値サポートされるとすれば、4月24日以降の下降トレンドが終わり、反転が確認されることになります。

ただし、9連騰と急激に上昇したことから、短期的な押しが入ることも考えられます。25日線からの乖離率、騰落レシオ、RSIなどの指標も「買われすぎ」と過熱感を示しています。利益確定売りなども出やすい局面ですが、急上昇しているときにはチャートは「買われすぎ」が点灯し続けます。むしろ今は目線を上に持って積極的に付いていきたいところです。

上値メドとしては4月24日の高値(22,362円)あたりになるでしょう。逆に下値メドは目先意識されやすい21,500円や75日線と重なる21,200円あたりになりますが、上昇の勢いが強ければそこまで下がらず、7月25日の高値(21,823円)あたりまでの短期的な押しを入れてその後は高値を切り上げていく動きになることも考えられます。

下原 一晃