まもなく2学期が始まります。進学や受験の話題が家庭で出てくる秋ですが、子育てと仕事に追われ、教育費や住宅ローンで支出がふくらむ40歳代にとっては、来年以降のお金の見通しが気になり始める時期でもあります。
「収入は増えたはずなのに、なぜかお金が残らない」。二人以上の世帯で暮らすなかで、そう感じている方は少なくないはずです。
今回は、40歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、子育て世帯が家計をどう感じているのかという「生活意識」のデータもあわせてみていきます。
なお、年代別の貯蓄額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 40歳代・二人以上世帯の貯蓄額は平均1486万円・中央値500万円。2000万円以上が21.3%ある一方、金融資産非保有も18.8%と差が広がり始めている
- 生活が「苦しい」と答えた割合は、児童のいる世帯で61.5%。全世帯の55.4%を上回り、世帯タイプのなかで最も高い
- 教育費のピークを西暦で書き出し、家族の固定費をまとめて見直し、使える公的支援を確認する。この3つが40歳代の家計を整える手順になる
1. 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄額の平均は1486万円、中央値は500万円
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 40歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
金額帯ごとの割合は、「【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認」から要点を引用して確認してみます。
- 金融資産非保有:18.8%
- 100万円未満:10.0%
- 100~200万円未満:6.2%
- 200~300万円未満:5.1%
- 300~400万円未満:4.4%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:7.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:9.7%
- 1500~2000万円未満:6.5%
- 2000~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上:13.1%
- 無回答:2.1%
- 平均が1486万円、中央値が500万円
出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
40歳代の二人以上世帯は、平均1486万円・中央値500万円です。教育費と住宅ローンが重なる時期で、平均と中央値の差が大きいのが特徴といえます。
2000万円以上の世帯が21.3%(2000〜3000万円未満8.2%+3000万円以上13.1%)ある一方、生活費に使用する口座以外の貯蓄がない世帯も18.8%。上位と下位がほぼ同じボリュームで存在しており、世帯ごとの差が広がり始める年代であることがわかります。多くの世帯の実感に近いのは、中央値の500万円のほうです。
1.2 【試算】子どもが10歳なら、大学入学までにいくら積み上げられる?
中央値500万円という数字を、教育費の準備という視点に置き換えてみます。前提は「子どもが10歳で、18歳の大学入学までの8年間(96カ月)、毎月一定額を積み立てる」というもので、運用による増減は考えていません。
- 月2万円の場合:96カ月で192万円
- 月3万円の場合:96カ月で288万円
- 月5万円の場合:96カ月で480万円
中央値の500万円に、月3万円を8年続けた288万円を上乗せできれば、788万円になる計算です。ここで大事なのは金額そのものより、「いつまでに、いくら」という期限が決まると、毎月の積立額が逆算できるという点です。教育費は使う時期があらかじめ決まっている支出なので、この逆算がしやすいという特徴があります。
2. 子育て世帯は「生活が苦しい」と感じる割合が最も高い
40歳代の家計がきついと感じるのは、気のせいではありません。厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、生活が「苦しい」(「大変苦しい」+「やや苦しい」)と答えた割合は、児童のいる世帯で61.5%と、全世帯の55.4%を上回り、世帯タイプのなかで最も高くなっています。
内訳をみると、児童のいる世帯では「大変苦しい」が27.6%、「やや苦しい」が33.9%。前回の大規模調査である2022(令和4)年調査の54.7%からも上昇しており、子育て世帯の家計の厳しさがうかがえます。
背景にあるのは、教育費と住宅費という二つの大きな支出が、ちょうどこの時期に重なることです。物価の上昇も、家計の実感をより厳しくしています。ただ、この数字は「わが家だけが苦しいわけではない」ことの裏返しでもあります。過度に不安に思うより、家計を見直すきっかけとして受け止めたいところです。
なお、この割合は世帯タイプ別の数字で、先にみた年代別の貯蓄額(J-FLEC)とは調査も区分も異なります。数字は全体の傾向としてご覧ください。

