このように筆者の息子は、肝心なときに痛いと言えないようなのです。その理由は本人にしかわかりませんが、ケガをしたことを伝えることが気恥ずかしい?それとも、ケガをした瞬間は痛みに耐えることに精一杯で、ケガをしたことを伝えることにまで気が回らない?我慢することが男らしいと思っている?などの思いがあるのではと考えています。

そのため息子には、ケガの大小を問わず、ケガをしたときには、すぐに回りの大人に伝えるよう教えています。また保育園の先生をはじめ、回りの大人にも、息子が痛みを訴えなかったためにケガの発見が遅れたケースがあることも伝えました。

息子も4歳になり、複雑な会話もできるようになっています。しかし、“痛み”という実にシンプルな訴えをするのが苦手ということは最近になってわかったことです。ピンチのときにしっかりとヘルプサインを出せるよう、息子に教えていきたいと思います。また、親として息子の表情や体調の変化をしっかりと察知できるよう心掛けています。

痛みを訴えられない子どももいる

子どもが幼いうちは常に親の監視下にあるため、ケガをしたり、病気をしたりしても、すぐに発見し、対処することができました。しかし子どもが成長するに連れて、親の目の届かないところで大きなケガをしたり、病気の症状が悪化したり、というケースも増えてくるでしょう。

そんなとき、保護者が迅速に処置できるかどうかは、子ども本人からヘルプサインがあるかどうかが重要です。しかし子どもの中には、上手に「痛み」などを伝えられない子どももいます。子どもの特性を理解して、体調の変化などをより注意深く観察することが大切なのではないでしょうか。
 

上田 みどり