4. 監修者の視点:金利のある時代、国債とどう向き合うか

銀行の窓口でも、国債についてのご相談を数多く受けてきました。長らく低金利が続いていた反動もあり、金利が上昇している局面では、これまで以上に国債が「まとまった資金の置き場所」として意識されやすくなっています。特に、退職金や相続でまとまった資金を受け取った方からは、「元本割れのリスクを抑えながら、少しでも増やせる方法はないか」というご相談を数多くいただいてきました。

ただし、新窓販国債は満期まで保有すれば額面どおりに償還されますが、市場で途中売却する場合は話が別です。購入時より市場金利が上昇していると、時価は下落し、売却損が出る可能性があります。逆に金利が下がれば売却益が出ることもありますが、いずれにしても「いつ資金が必要になるか」を先に考えておくことが大切です。満期まで動かさない前提の資金なのか、数年以内に使う可能性がある資金なのかによって、選ぶべき年限も変わってきます。2年・5年・10年と選択肢がある中で、ご自身の資金計画に合わせて年限を選ぶという視点を持っておくとよいでしょう。

また、国債は元本の安全性が高い一方で、大きく増やすことには向いていません。国債だけに資産を集中させるのではなく、非課税制度を使って値上がり益や配当を狙える新NISAなど、性格の異なる商品を組み合わせておくことも大切です。銀行預金・国債・投資信託といった複数の置き場所に資金を分けておくことで、金利や相場の変動に振り回されにくい家計をつくることができます。

国債は、銀行や証券会社の窓口だけでなく、ネット証券でも購入できるようになっています。購入先によって手続きの手間や情報の得やすさが変わってくるので、複数の窓口を比較してみるのもよいでしょう。分からない点があれば、遠慮せず窓口で質問しながら、ご自身の資産配分と照らし合わせて、無理のない形で検討していただければと思います。

5. まとめ

今回は、令和8年8月募集分の新窓販国債2年の発行条件と、5年・10年、個人向け国債の発行スケジュールについて解説しました。

新窓販国債2年の利率は1.5%で、市場での売却時には金利変動により損益が生じる可能性があります。

国債は値動きが比較的落ち着いた商品ですが、他の年限や商品との比較、非課税制度の活用もあわせて検討しながら、ご自身に合った選択をしていただければと思います。

参考資料

中本 智恵