【FP解説】老後資金づくりのために今から確認しておきたい3つのステップ

ここまで見てきた受給額の実態を踏まえると、「公的年金だけで老後を乗り切るのは難しいかもしれない」と感じた方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、何から始めればよいか分からず、なんとなく貯蓄をしているだけという方も少なくありません。ここでは、老後資金づくりの土台となる3つのステップを紹介します。

ステップ①:「ねんきん定期便」で加入記録と見込額を確認する

まず取り組みたいのが、「ねんきん定期便」の確認です。ねんきん定期便では、これまでの年金加入記録に加えて、将来受け取れる年金の見込額も把握できます。

年金制度は社会情勢の変化に合わせて見直しが行われ、年金額自体も毎年度改定されています。まずは現時点での自分の見込額を、実際の数字で把握することが第一歩です。

ステップ②:見込額と目標額を定期的に見直す

ねんきん定期便は毎年届くため、年に1度など定期的なタイミングで見込額を確認する習慣をつけておきましょう。

そのうえで、老後資金として自分が用意したい目標額とのギャップを確認し、今のペースで良いのか、積立額を増やすなどペースアップが必要なのかを見直していくとよいでしょう。

ステップ③:資産形成の方法を年金制度の変化に合わせて調整する

年金の見込額や制度改正の内容を踏まえつつ、NISAやiDeCoといった資産形成の手段を組み合わせて調整していくことも欠かせません。

転職や働き方の変化によって加入する年金制度が変わることもあるため、ライフイベントのタイミングで見込額を確認し、資産形成の配分を見直す機会を作っておくと安心です。

公的年金の実態を「知らないまま」にしておくことが、最も避けたいリスクです。まずは自分の見込額を知ることから、老後資金づくりの一歩を踏み出しましょう。

川勝 隆登
「ねんきん定期便」は、毎年届くものだからこそ、内容を確認せずに保管したままになっている方も多い印象です。しかし、見込額は年齢や加入状況によって年々変わっていくものです。特に、20代・30代のうちは「見込額が少ない」と感じて不安になる方もいますが、これは加入期間がまだ短いためで、将来的に増えていくのが通常です。大切なのは、金額そのものに一喜一憂することではなく、定期的に確認して現在地を把握し、老後資金づくりのペースを見直す機会にすることです。

まとめにかえて

本記事では、厚生年金の受給額分布の実態と、老後資金づくりのために今から確認しておきたいステップについて解説しました。

厚生年金の受給額は、生活費の目安となる「月20万円以上」よりも「月10万円未満」の割合の方が高く、受給者の8割以上が「月20万円未満」という実態が明らかになりました。

現役時代の働き方によって将来の年金額は異なるため、早い段階から自身の見込額を把握し、対策を進めていくことが大切です。

ゆとりある老後を実現するためには、年金以外の資産をしっかりと準備しておくことが欠かせません。

まずは「ねんきん定期便」で現在地を確認し、老後資金づくりの一歩を踏み出してみましょう。

参考資料

川勝 隆登