7期連続増配とDOE中央値超え、還元姿勢は緩まず

見るべきは、こうした利益振幅の中でも、株主還元姿勢が一貫して緩んでいない点ではないでしょうか。

分割調整後の1株配当は2021年9月期の11円から、2022年9月期14円、2023年9月期15円、2024年9月期16円、2025年9月期17円と積み上がり、2026年9月期予想は19円が示されています。連続増配は7期に達しました。

純資産配当率(DOE)は4.69%と、サービス業中央値の3.86%を上回っています。絶対的な還元厚みは業種内でも上位帯に位置している姿です。

株価は1年で大きく下落、2025年8月末の1,700円台から2026年4月末に1,200円台まで沈み込み

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出所:各種資料をもとに筆者作成

株価の直近1年(月末終値ベース、参照期間は2025年8月末〜2026年7月執筆時点)の推移は、業績の好調ぶりと対照的な動きとなりました。

2025年8月末は1,700円台で推移していた後、下押しに転じ、9月末以降は緩やかな下落基調が続きました。2026年4月末には直近1年の中で最も低い水準である1,200円台まで沈み込みました。

その後は緩やかな戻りに転じ、2026年7月は1,400円台まで反発しています。とはいえ、起点の2025年8月末と直近を比べますと、1年トータルでは大きな下落となりました。

過去5年で見た株主総利回り(TSR)は1.14倍と、同期間のTOPIX 2.07倍を下回っています。長期のパフォーマンスも、過去のピーク水準からの下方調整局面が続いてきた姿として読み取れます。

筆者コメント

一般に「連続増配・高ROE銘柄は株価も堅調に推移する」というイメージが投資家の間で共有されがちです。しかし同社の直近1年の株価は、7期連続増配と2Q時点で通期予想の95%を消化する好業績の中でも、大きく下落する姿を見せました。

業績の実勢と株価評価の間に生じたこのギャップは、業績数値だけでは読み解けない要素——例えば過去のピーク水準からの評価水準調整、長期TSRの累積積み上がりの消化、事業ポートフォリオ内のセグメント別の見通しの違いなど——が絡んでいる可能性があると考えられます。

好業績銘柄を眺めるときは、実績や進捗率の絶対値だけでなく、長期の評価水準がどこにあるか、市場が織り込んでいる次サイクルの姿がどう変化しているかを同時に見ていく着眼点が有効ではないでしょうか。

免責事項

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石津 大希