3. 遺族年金は誰でも貰えるわけでなく、受給要件がある
年金については老齢年金もですが、遺族年金の制度についても確認しておきたいもの。「万一のとき、遺族年金があるから安心」と思っている方もいるかもしれませんが、実は遺族年金は誰でも受け取れるわけではなく、受け取れる人や条件が決まっています。こういった制度はできるだけ早くからその詳細を知っておきたいものです。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。まず亡くなった人の受給要件が以下のように決まっています。
3.1 遺族基礎年金の受給要件
- 国民年金の被保険者である間に死亡した場合
- 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡した場合
- 老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡した場合
※上記、いずれかの要件を満たしている方が死亡したとき。また、上記以外にも細かな要件があるため、詳細は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。
3.2 遺族厚生年金の受給要件
- 厚生年金保険の被保険者である間に死亡した場合
- 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡した場合
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡した場合
- 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡した場合
※上記、いずれかの要件を満たしている方が死亡したとき。また、上記以外にも細かな要件があるため、詳細は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。
上記の要件を満たした上で、受け取る側についても受給要件があります。
遺族基礎年金を受け取れるのは、亡くなった方に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に限られます。ここでいう「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある方など条件があります。
つまり、たとえば国民年金だけに加入していた方が亡くなった場合、対象となる子がいない配偶者は、遺族基礎年金を受け取れません。
一方、会社員などが加入する厚生年金では、生計を維持されていた遺族に遺族厚生年金が支給され、対象となる遺族の範囲は遺族基礎年金より広くなっています。
大切なのは、ご自身やご家族がどの年金の対象になるのかを、あらかじめ知っておくことです。「もらえるはず」と思い込まず、要件を確認しておくことが、いざというときの備えにつながるのではないでしょうか。
4. 金融機関出身のアドバイス
年金は令和8年度に引き上げられたものの、物価の上昇には追いつかず、実質的には目減りしています。
額面の数字にとらわれず、年金と貯蓄で「実質どれだけ使えるか」という視点を持っておきたいところです。特に年金の手取り額や物価高により、「生活費はどう変化したか」「貯蓄を取り崩している場合は毎月いくらか」などは把握しておきたいですね。
物価高が続くことを前提に、証券会社で家計や資産の相談を受けてきた立場から、70歳代のご夫婦に、今日からできることをお伝えします。
まずは1か月の支出を一度洗い出すことです。年金でまかなえている分と、貯蓄から補っている分を分けてみると、「実質でいくら足りないか」がはっきりします。額面の増減に振り回されず、手元のお金で考える出発点になります。なお、貯蓄から補っている分については毎月どれくらいかをきちんと確認し、管理したいものです。
次に、物価高に効く固定費を見直すことです。電気・ガスの料金プランの見直しや、通信費を格安プランへ切り替えることは、一度手を打てば節約が毎月続き、値上げの影響をやわらげてくれます。
最後にまとまった支出への備えです。医療や介護、住宅の修繕など、いつか必要になる大きな出費に向けて、予備費を生活費の口座とは別に取り分けておくと、急な出費でも蓄えを大きく崩さずにすむでしょう。
また、いざというときのために、早くからきちんと制度も確認しておきましょう。
参考資料
宮野 茉莉子
