3. 請求書の提出から振込まで、どのくらいかかる?

年金請求書を提出してから実際に年金が振り込まれるまでには、一定の時間がかかります。

流れを整理しておきましょう。

  • 年金請求書を提出
  • 約1〜2カ月後:「年金証書・年金決定通知書」が届く
  • さらに1〜2カ月後:「年金振込通知書」が届き、年金の受け取りが始まる

つまり、請求書を提出してから最初の振込まで、合計で2〜4カ月程度かかることがあります。

「誕生日を過ぎたのに何も来ない」と感じても、手続きが完了していれば問題はありません。

4. 例:11月生まれの初回振込が2月になる理由

8月に請求書が届き、すみやかに手続きを済ませたのに、はじめての年金振り込みが2月になる?

仕組みがわかると「なぜ2月なのか」がすっきり理解できます。

4.1 「65歳になる日」は誕生日の前日

年齢の計算は「誕生日の前日」に1歳加算されます(年齢計算に関する法律・民法の規定)。

つまり11月1日生まれの方の「65歳になる日」は10月31日です。この日に老齢年金の受給権が発生します。

11月2日以降に誕生日を迎える方は「65歳になる日」が11月中となるため、受給権の発生は同じく11月です。

4.2 年金は受給権発生月の「翌月分」から始まる

受給権が発生した月の翌月分から年金の支給対象になります。

  • 11月1日生まれの方:10月31日に受給権が発生するため、翌月の11月分からスタート
  • 11月2日以降生まれの方:11月中に受給権が発生するため、翌月の12月分からスタート

つまり、「1日生まれ」の方だけが誕生月から支給され、「2日以降生まれ」の方は誕生月の翌月からの支給となります。

4.3 ルール③偶数月15日に前2カ月分がまとめて振り込まれる

年金は毎月払いではなく、2カ月分まとめて偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に振り込まれます。

15日が土日祝日の場合は直前の平日になります。

4.4 11月生まれの年金請求~受取までのスケジュール

3つのルールを組み合わせると、11月生まれの初回振込が2月になる理由が見えてきます。

  • 65歳になる日:誕生日前日
  • 請求書が届くタイミング:8月(11月1日生まれの人は7月)
  • 年金開始:12月分から(11月1日生まれの人は11月分から)
  • 2月15日の初回振込:12月分・1月分の2カ月分がまとめて振り込まれる(11月1日生まれの人は11月分・12月分・1月分の3カ月分)

なお、事務手続きの関係で2月の支給に間に合わないケースもある点にはご留意ください。

5. もうすぐ届く請求書、見落とさないために

年金の手続きは、流れを知っていれば落ち着いて進められるものです。ただ、うっかり開封を後回しにしてしまうケースは現実にあります。

しかし、放置して時効を迎えてしまったり、提出が遅れて受取日が後ろ倒しになったりするのはもったいないですよね。

なお、現在は一定の要件を満たす方であれば、年金事務所へ行かずに「電子申請(オンライン手続き)」で請求することも可能です。

対象となる方には、届いた年金請求書に「電子申請のご案内」が記載され、リーフレットも同封されていますのでぜひ確認してみてください。

届いた請求書はなるべく早めに手続きを済ませ、控えを手元に残しておく。それだけでかなり安心感が違います。

「ねんきんネット」に登録しておけば、手続きの進捗状況をオンラインで確認することもできて便利です。

65歳の節目を焦らずに迎えられるよう、届いた封筒を開けるところから準備を始めてみましょう。

5.1 ご参考:平均年金月額

平均年金月額(国民年金)2/3

平均年金月額(国民年金)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

平均年金月額(厚生年金)3/3

平均年金月額(厚生年金)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

参考資料

和田 直子