銀行員時代、窓口で「年金だけでは足りない」「どんどん貯金が減っていく」といった声をよく聞きました。SNSやメディアでも年金生活の厳しさを訴える声を見聞きします。
こうした状況を乗り越える1つの方法として、公的支援があげられます。
たとえば「年金生活者支援給付金」。2019年(令和元年)にスタートした比較的新しい制度で、存在を知らない人は少なくないかもしれません。この給付金は、受給要件を満たす限り、年金と同じ2カ月に1度のペースで”ずっと”もらえます。
なお、対象者は手続きが必要です。自動的に振り込まれないため注意しましょう。
公的年金の受給額が少ない方を対象に、年金に上乗せして受け取れる「年金生活者支援給付金」という制度があります。
老齢・障害・遺族、それぞれの基礎年金に対応した3種類が設けられており、2026年度は前年度比3.2%増の給付額となりました。
「申請しないともらえない」制度であるにもかかわらず、存在を知らずに見逃しているシニアの方は少なくありません。
この記事では、3種類の支給要件と2026年度の給付額を整理します。自分や家族が対象かどうか、確認のきっかけになれば幸いです。
1. 3つのポイントの見出し
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年金生活者支援給付金は「老齢」「障害」「遺族」の3種類。基礎年金を受給していて所得が一定基準以下の方が対象 -
2026年度の給付基準額は月額5620円(前年度比+3.2%)。障害等級1級は月額7025円 -
自動支給されない。初回は請求書への記入・返送が必要で、申請しなければ1円も受け取れない
2. 年金生活者支援給付金とは
まず、この制度の全体像を把握しておきましょう。
「老齢」「障害」「遺族」と3種類あるのがポイントです。老齢年金を受け取っている方だけでなく、障害基礎年金・遺族基礎年金を受給している方にもそれぞれ対応した給付があります。
老齢年金の生活者支援給付金において、「所得要件」がありますが、障害年金や遺族年金などの非課税収入は所得に含まれません。「年金をもらっているから対象外」と思い込んでいる方も、実際には対象になるケースがあります。
年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族それぞれの基礎年金を受給している人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に受け取れる給付金です。
2カ月に1度、年金と合わせて支給されます。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
給付金は年金とは別枠の制度であり、受け取るためには原則として初回の請求手続きが必要です。
日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書」に必要事項を記入し、返送することで受給が始まります。
送付されてきた書類を「後で書こう」と放置しているうちに、受給開始が数カ月遅れるケースも珍しくありません。届いたらできるだけ早めに手続きすることをおすすめします。
3. 3種類の支給要件をそれぞれ確認する
「自分は対象になるのか」を判断するため、種類別に支給要件を確認しておきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
次の3つの要件をすべて満たす方が対象です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が、昭和31年4月2日以後生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後生まれの方で80万9000円を超え90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件
次の2つの要件をすべて満たす方が対象です。老齢と異なり「市町村民税非課税」の世帯要件がなく、所得基準も別に設定されています。
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※ 障害年金等の非課税収入は除く)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)
3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
次の2つの要件をすべて満たす方が対象です。障害と同様に、所得基準は「479万4000円以下」で統一されています。
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※ 遺族年金等の非課税収入は除く)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)




