子どもが生まれてとても幸せだと感じる一方で、家事・仕事に育児の負担が加わり、毎日大変だと感じている人も多いでしょう。実際に日本女性の家事・育児の負担は他国に比べてもかなり大きいのです。どうすれば負担を減らせるのでしょうか。

母親になって変わったことは?

母親になるのは想像以上に大変なことです。もちろん幸せなこともたくさんありますが、子どもを授かった瞬間からつわりで辛い思いをして、どんどん大きくなるお腹に行動を制限され、出産では交通事故に遭ったくらいのダメージを受けたとこぼす人もいます。

子どもが生まれてからは、それまでとは全く違う生活リズムになり、自分のことは後回しが当然。子どもが小さいうちはご飯をゆっくり食べられることすらありません。子どもに誤飲や怪我・事故などの危険が及ばないようにと四六時中目を光らせ、起きてる間は休むことはできません。夜間授乳や夜泣きがある子どもなら夜も熟睡できる日はないでしょう。

日本女性は完璧主義すぎる?

このように、女性は子どもを授かることで「守らなくてはいけない」という責任感が生まれます。一方で、今の時代は女性が働くことも当たり前になっています。

実際、厚生労働省の「専業主婦世帯と共働き世帯の推移」によると、共働き世帯は平成26年度には1114万世帯と、専業主婦世帯687万世帯の約1.6倍にまでなっています。つまり、子どもが生まれてからは家事・育児・仕事の3つの役割を求められるようになるというわけです。

総務省統計局の『平成28年社会生活基本調査結果』で、6歳未満の子どもを持つ夫婦の1日あたりの家事・育児関連に費やす時間のデータを見ると、日本男性の平均は1時間23分。一方、女性は7時間34分と女性の家事負担が圧倒的に多いことがわかります。

他の国を見ると、アメリカは男性3時間10分、女性5時間40分、男性の参加時間が最も多いスウェーデンでは男性3時間21分、女性5時間29分でした。どの国も女性のほうが家事・育児に費やす時間が多いという点は共通しますが、日本男性の家事・育児参加時間かなり少ないのです。

また、リンナイ株式会社の『世界5カ国の「ワーキングママの育児事情」に関する意識調査(2019年)』によると、ベビーシッターを最も利用している国はアメリカで、52%の家庭が定期的に利用しているとしています。保育サービスの利用率が最も高いスウェーデンでは77%近くの家庭が利用しているという結果です。

しかし、日本での利用率は、ベビーシッター7%、保育サービス25%と各国と比べて低い割合にとどまっています。確かに日本の一般家庭では育児を外部サービスに頼むという考え方が少なく、ベビーシッターを使っている人といえばお金に余裕がある人だけ、というイメージですよね。

このように共働きが当たり前になった時代でも、女性の負担が極端に多い日本は、「女性が家事・育児をするもの」という古い価値観と、「女性も社会で活躍しないといけない」という新しい価値観の狭間で、「きちんと家事も育児もしながら働かなければいけない」状況となっているのです。

平日夫の帰りが遅ければ、母親の負担が100%の完全ワンオペ状態になることもあるでしょう。こうした状況では、真面目で完璧主義の日本人女性も、少しでも楽になる方法を考えるべきではないでしょうか。

家事・育児・仕事…多くを求められて生き辛い日本女性を救うのは?