「元本割れのリスクを抑えて効率よく資金を運用したい」「余剰資金の適切な預け先を探している」など、資産運用の悩みはさまざまです。
なかには、2026年7月募集の個人向け国債の購入を検討しているケースもあるでしょう。
額面上の「適用金利」だけで試算してしまうと、実際に振り込まれる金額との差が生じます。
なぜなら、投資で得られる利息には20.315%の税金がかかるためです。
本記事では2026年7月募集の個人向け国債を「100万円」購入した場合の、税引後手取り利息を解説します。
さらに、購入前に確認しておくべき「中途解約時の注意点」についてもご紹介します。
ご自身の預貯金とのバランスや、将来の資金計画に合わせた検討の参考にしてください。
証券会社で富裕層や資産家のお客様を担当してきた経験からお伝えすると、どのような資産規模であっても資産全体のバランスを整えるため、価格変動リスクが低い傾向にあるものを一定割合組み込むのが一般的な手法です。
その際、国が元本と利息の支払いを保証している「個人向け国債」は信頼性の高い選択肢となります。
大きなリターンを狙うものではありませんが、「価格変動リスクを避け、着実に運用したい資金」の預け先として、堅実な役割を果たすことが期待できます。
1. この記事を読むとわかる3つのポイント
-
2026年7月募集「個人向け国債」の変動10年・固定5年・固定3年の適用金利 -
個人向け国債を「100万円購入した場合」の税引後の手取り利息・中途解約の注意点 -
個人向け国債を検討するときの3つのポイント
2. 個人向け国債とは?特徴を解説
個人向け国債は、日本国政府が発行しているため信頼性が高く、資産運用を初めて行う方でも安心して始められる金融商品です。
1万円という少ない金額から購入が可能で、各種金融機関で手軽に申し込みができるうえ、譲渡や相続にも対応しています。
年0.05%の最低金利保証が設定されているため、市場の金利が大きく低下した場面でも安心して保有を続けられます。
商品は毎月発行されていますが、今月の最新金利はどのような設定になっているでしょうか。
詳しい内容を順に確認していきましょう。
3. 2026年7月募集「個人向け国債」の適用金利はいくら?
2026年7月に募集される個人向け国債の適用金利は、変動金利型の「変動10年」が年1.8%となっています。
固定金利型では「固定5年」が年1.95%、「固定3年」が年1.56%の金利設定となっております。
変動10年は半年ごとに金利が見直されるため、将来的な金利上昇局面で受け取れる利息が増加する可能性があります。
一方で固定5年や固定3年は満期まで金利が変わらないため、将来得られる利息額をあらかじめ確定させたい方に適しています。
4. 個人向け国債を「100万円購入した場合」の受取利息をシミュレーション
個人向け国債を100万円分購入し、満期まで保有した場合に受け取れる利息をタイプ別に試算してみましょう。
まず変動10年の場合、10年間の合計で受取利息(税引前)は18万円、手取り利息(税引後)は14万3433円となります。
なお、変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに適用利率の見直しが行われる仕組みとなっています。
そのため、実際の受取利息は今後の金利変動によって変わりますが、ここでは10年間金利が一切動かなかった場合として試算しています。
次に固定5年の場合、5年間の合計で受取利息(税引前)は9万7500円、手取り利息(税引後)は7万7692円です。
そして固定3年の場合、3年間の合計で受取利息(税引前)は4万6800円、手取り利息(税引後)は3万7292円となります。
5. 知っておくべき個人向け国債の「中途解約の注意点」
個人向け国債は原則として発行から1年が経過すれば、1万円単位で中途換金を行うことが可能です。
ただし、中途換金を実施する際には一定の差し引き(中途換金調整額)が発生する点に注意が必要です。
具体的には、直近2回分の各利子相当額に0.79685を乗じた金額が、換金時に売却損として差し引かれることになります。
中途解約を行っても受け取った利息以上の金額が引かれることはありませんが、事前にルールを把握しておくことが大切です。
6. 「元証券会社の富裕層担当の視点」個人向け国債を検討するときの3つのポイント
個人向け国債を検討する際は、以下の3つのポイントを意識して資金を配分することをおすすめします。
6.1 使う予定(時期)に合わせて選択する
個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があります。
金利変動に対応しやすい「変動10年」のほか、数年以内に使う予定があるお金であれば「固定3年」や「固定5年」など、資金の必要時期に合わせた期間を選ぶのが基本です。
6.2 「1年間は引き出せない」前提で資金計画を立てる
個人向け国債は発行から1年間は原則として中途解約ができません(※保有者が亡くなられた場合や大規模災害被災時などの特例を除く)。
したがって、急な病気やトラブルに対応するための「生活防衛資金」は、随時引き出しが可能な銀行の普通預金に残しておき、「当面使う予定のない余剰資金」を活用して個人向け国債を検討するとよいでしょう。
6.3 銀行預金と組み合わせて「役割分担」させる
「国債か銀行預金か」の二者択一で考える必要はありません。
たとえば、日常生活や急な支出に備える「流動性重視の資金」は銀行預金に、数年間使う予定のない「元本確保重視の資金」は個人向け国債に預けるなど、それぞれの特性に応じた役割分担を心がけましょう。
7. まとめ
2026年7月募集分の個人向け国債は、変動10年が1.8%、固定5年が1.95%、固定3年が1.56%(いずれも年率・税引前)の金利設定となっています。
金利水準の高さから、資産の運用先として購入を検討される方もいるでしょう。
個人向け国債を活用する際は、以下のポイントを改めて整理しておくことが大切です。
- 手取り利息と課税:実際の受取額は表面金利から20.315%が課税された金額となります。
- 満期保有の重要性:設定通りの金利(利息)を受け取るためには、原則として中途解約をせずに満期償還まで保有し続けることが前提となります。
- 資金計画に合わせた銘柄選択:個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3つの種類が用意されています。単に金利の高さだけで選ぶのではなく、ご自身の運用期間や資金計画に合わせて無理なく保有できるかを確認して選択しましょう。
個人向け国債は「価格変動リスクを抑えたい」「計画的に資産を管理したい」というニーズに適した金融商品です。
手元の流動資金(銀行預金)とのバランスを取りながら、ご自身の目標に合わせた資産形成を選択しましょう。
【免責事項】
- 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
- 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
- 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
参考資料
安達 さやか


