最近、日本自動車工業会の豊田章男会長や、経済同友会の桜田謙吾幹部長などから「終身雇用の維持は難しい」という発言がありました。

終身雇用などの福利厚生が期待できるので、大企業に就職したという人にとってこれはショッキングな出来事で話題となりました。

戦後の日本企業は年功賃金制度で給料が上がり、福利厚生が手厚かったため、ストレスを感じながらも辛抱して仕事を続けることができました。その福利厚生の土台が危うくなることで、大企業で働くことを「悪かった」と感じる人がますます多くなる可能性が高くなります。

また昔は、働いている「企業」により、働くことの意義を感じている人が多かったのに対し、現在は、働いている内容により働くことの満足を感じる人が多くなってきています。大企業の制度や働き方について、もう一度見直す時期に来ているのかもしれません。

それでも大企業のメリットは大きい?

もちろん「大企業」や「有名企業」に勤めていることで人の価値が決まるのではありません。どのように仕事を行なっているのか、働く態度や姿勢が大切です。それで、自分のスキルや能力を活かした仕事をやりたい、もっと私生活を充実させたいという理由から大企業で働くことを選ばない人もいます。「終身雇用見直し」発言によって、この動きがますます盛んになることも予想されます。

ただ、大企業の充実した待遇などのメリットは大きく、反対に中小企業に勤めたからといって「満足した働き方ができる」という保証があるわけでもありません。大企業の就職や退職を考えている人は、悪いこととメリットの両方を考慮しよく考えた上で、決定する必要があるでしょう。

LIMO編集部