「オルカン」や「S&P500」という言葉は知っていて、NISAで積立投資をするならこのあたりが良いらしい、という空気はなんとなく感じている。それでも、商品選びが面倒に思えたり、元本が保証されない投資信託そのものに抵抗があったりして、なかなか一歩を踏み出せない、という方もいるのではないでしょうか。
NISA(少額投資非課税制度)は、こうした資産形成を後押しするための制度です。毎月一定額を積み立てる「積立投資」であれば、まとまった知識がなくても始めやすく、ネット銀行やネット証券であればワンコインから注文できるところも増えています。まずは少額から試してみて、実際の値動きを体感してみるのも一つの方法です。
この記事では、積立投資を続けた場合にどのくらいの資産形成につながるのか、具体的なシミュレーションを通じてイメージをつけていきます。
1. この記事の3つのポイント
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オルカン保有者は新NISA後2.7倍に -
預金と積立投資で資産に差が出る -
銘柄選びは初心者か経験者かで変わる
2. 新NISAで人気なのは?急増する「オルカン」「S&P500」の保有者数
実際に、新NISAをきっかけに投資を始める人は着実に増えています。三菱UFJアセットマネジメントの発表(2026年7月31日)によると、同社の投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)の保有者数は、2026年1月から6月の半年間で約118万人増加し、2026年6月末時点で約686万人となりました。これは新NISA開始直前の約255万人と比べて、約2.7倍の規模です。
同時期、米国株式(S&P500)に投資する同社の投資信託の保有者も50万人以上増加し、約590万人となっています。オルカンについては2026年1月から6月の資金純流入額も約2.2兆円と、前年同時期の1.8倍に伸びており、保有者数・投資額の両方で増加が続いている状況です。
3. そもそも新NISAとは?
- NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益(通常は20.315%課税)が非課税になる制度
- 2024年1月に制度が拡充され、「新NISA」としてスタート
- 年間の非課税投資枠が拡大し、非課税で保有できる期間も無期限に
それでは、この新NISAを使って積立投資をした場合、預金だけの場合と比べてどのくらいの差が生まれるのでしょうか。
4. 「月3万円」を15年続けた場合、貯金と積立投資でどう変わる?
毎月3万円を15年間積み立てた場合を例に、預金と新NISAでの積立投資を比較してみます。15年間の投資元本は、どちらのケースも540万円です。
4.1 預金の場合:資産額は約552万円
メガバンクの普通預金金利は年0.3%前後です。この条件で15年間預け続けると、得られる利息は約12万円(税引前)にとどまり、最終的な資産額はおよそ552万円となります。利息には約20%の税金がかかるため、実際に手元に残る金額はこれより少なくなります。加えて、物価上昇が続けば、増えた金額以上にお金の実質的な価値が目減りする可能性もあります。
4.2 新NISAで積立投資した場合:利回りごとの資産額
同じ月3万円を新NISAで積立投資に回した場合、想定利回りごとに資産額は次のように変わります。
- 利回り3%:運用収益139万円、資産合計679万円
- 利回り5%:運用収益254万円、資産合計794万円
- 利回り10%:運用収益655万円、資産合計1195万円
預金の場合の資産額(約552万円)と比べると、利回り3%では127万円、5%では242万円、10%では643万円の差が生まれる計算です。この差を生む要因が「複利」です。運用で得た利益が元本に組み込まれ、その利益にもさらに利益がつくため、運用期間が長くなるほど後半にかけて資産の増え方が加速していきます。
新NISAでの積立投資は、値動きのある商品を保有することになるため、短期的に元本を下回る場面も想定しておく必要があります。まずは無理のない金額から始め、長期的な視点で継続することが基本的な考え方になります。
毎月同じ3万円を積み立てるにしても、預金か新NISAかによって15年後の資産額には大きな差が生まれる可能性があることが、今回のシミュレーションから見えてきました。
実際に始めるとなると、次に迷うのが銘柄選びです。
初めて投資信託を持つ場合は、コストが低く世界中に分散されたインデックスファンドが選びやすい候補になります。
すでに株式や投資信託を持っている場合は、保有資産と異なる国・地域に分散する視点を持つのも一つの考え方です。






