4. 【FP解説】社会保険加入を意識した働き方のポイント

FPとしての視点を踏まえると、パート・アルバイトで働く方が意識しておきたいポイントは、以下の3つです。

4.1 手取りだけで判断すると、将来の年金額で損をする可能性がある

目先の手取り減少ばかりに目が行きがちですが、厚生年金に加入する期間が長くなるほど、将来受け取る年金額は増えていきます。

短期的な損得だけでなく、長期的な視点で判断することが大切です。

4.2 社会保険料の負担と、保障の手厚さを天秤にかける視点を持つ

厚生年金・健康保険に加入すると、保険料の負担が生じる一方、傷病手当金や出産手当金など、加入前にはなかった保障が受けられるようになります。

「保険料を払う」ことを、単なる負担ではなく「保障を買う」という視点で捉え直すことも重要です。

4.3 2026年10月以降は「年収」ではなく「週20時間」が基準になることを意識する

これまでは年収106万円を意識して働き方を調整する方が多くいましたが、今後は賃金要件が撤廃されるため、主に「週20時間働くかどうか」が加入の分かれ目になります。

これまでの年収ベースの感覚をアップデートしておく必要があるでしょう。

なお、社会保険に加入すると、厚生年金保険料や健康保険料が天引きされるため、同じ労働時間・同じ時給のままでは手取りが減る可能性があります。

そのため、加入対象になる場合は、勤務時間や収入をどこまで増やせるかもあわせて考えることが大切です。

保険料負担を上回る収入増が見込める働き方であれば、手取りを確保しながら将来の年金や保障も厚くできます。

5. まとめ

厚生年金に加入すると、保険料の負担によって手取り収入は一時的に減りますが、加入期間が長くなるほど、将来受け取る老齢厚生年金は着実に増えていきます。

あわせて、傷病手当金や出産手当金といった保障も受けられるようになるため、目先の手取り額だけでなく、中長期的な視点で加入のメリットを考えることが大切です。

制度の変わり目にあるからこそ、自分の働き方が現在の加入条件にあてはまるのか、今後の改正でどう変わっていくのかを、早めに確認しておくとよいでしょう。

将来の受給見込み額は、日本年金機構の「ねんきんネット」で自分の年金記録に基づいて確認できるため、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

加藤 聖人