この記事の読みどころ
4月1日(金)8:50発表予定の3月日銀短観の動向に注目です。
最も注目すべきは、新年度(2016年度)の設備投資計画の市場予想比での動向です。
4月1日(金)8:50発表予定の3月日銀短観の動向に注目
4月1日(金)8:50発表予定の3月全国企業短期経済観測調査(以下、日銀短観)は、これまで以上に注目を浴びそうです。
もともと日銀短観は、国内外の市場関係者から注目され、外国人投資家にも「Tankan」として知られていますが、今回の日銀短観は、新年度の設備投資計画を中心に、株式市場・外国為替市場に一段と影響を与える可能性が考えられます。
日銀短観を見る上で注目すべき2項目
今回は、特に新年度(2016年度)の設備投資計画が公表されますので、「大企業産業設備投資(設備投資の年度計画)」の項目に関心が高まるでしょう。
- 2015年度「大企業産業設備投資(設備投資の年度計画)」の市場予想は、+9.2%(前回+10.8%)
- 2016年度「大企業産業設備投資(設備投資の年度計画)」の市場予想は、前年度比-1.0%
上記は、仮に2015年度の数値が市場予想通り+9.2%だった場合、2016年度は+8.2%となることを意味します。中国の景気減速懸念および原油価格の下落等を反映し、設備投資に慎重な日本企業が多いと考える市場関係者が多いものと推察されます。
2016年度「大企業産業設備投資(設備投資の年度計画)」の数値が、市場予想を大きく上回る内容だった場合、国内の設備投資関連銘柄や機械関連銘柄の株価が、短期的に動意づくケースもあります。
2つ目の注目点は、大企業製造業業況判断です。市場予想を上回るか否かで、TOPIXや日経平均株価といった株価指数の方向感に変化が出る可能性があります。
今回、3月の「大企業製造業業況判断」の市場予想は+8と、前回の実績値+12を下回り、2四半期ぶりに景況感が悪化する見通しとなっています。
なお、下記グラフを見ていただくと分かりますが、日銀短観の業況判断等の指標はDI(ディフュージョン・インデックス)で表記されます。DIとは、企業の景況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。
【参考情報】日銀短観の基礎知識
日銀短観については、以前、筆者が執筆したこちらの記事をご参照ください。
※元データの確認は、日本銀行関連統計の「短観」 をご参照ください。
【2016年3月28日 投信1編集部】
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