夫婦間に起こり得る「不機嫌という名のコミュニケーション」、経験したことはありませんか? 夫に家事を頼むものの、嫌そうな表情で断られたり、怒って口をきいてもらえなかったり。逆に帰宅すると妻が不機嫌で、話そうと思っていた話ができなかったり。
人間誰しも不機嫌な日はあるものですが、不機嫌な言動で相手の行動をコントロールするのは、また違う話なのです。
どんな場面で行われるのか
「不機嫌という名のコミュニケーション」の例としてイメージしやすいのが、夫に家事や育児を頼む場面でしょう。
「お皿を洗ってほしい」と頼むものの、「何で俺が!」と声を荒げ、その後も不機嫌になまま何もしない夫。実際にお皿を洗ったとしてもイライラしながらで、「ここ、汚い。普段からちゃんとしなよ」など、文句を言いながら行う。
家事を頼むと不機嫌になる夫を見て、「それなら自分がやった方がいい」と妻は頼むのを止めたり、夫の顔色を伺いながら、時にはビクビクしながら夫に話しかける。
こうした一連の態度は「不機嫌という名のコミュニケーション」になっているのです。
相手を委縮させる不機嫌な言動
通常、不機嫌とは機嫌の悪いことで、一個人の感情や状態を示します。「機嫌」自体は各人のものなので、個人の問題。子どもの場合は癇癪や愚図りがあり、大人が対応をする必要がありますが、大人になれば自分の機嫌は自分でとるものです。
しかし、しばしば夫婦間で「不機嫌という名のコミュニケーション」が行われています。先ほどの例の場合、夫には「スマホを見てるから今はやりたくない」という自分の都合や、「家事をするのはめんどくさい」という気持ち、「女性がやればいい」という考えなどが背景にあるでしょう。
自分の都合・気持ち・考えを通すため、「イラ立った声色・相手を責める言葉・嫌そうな表情・めんどくさそうな態度」などで、不機嫌を訴えるのです。
不機嫌な態度を示せば、相手が委縮したり、気を遣ったり、うるさいことを言わなくなる。そうして無事、自分は家事をしなくて済むという目的が達せられます。
不機嫌な態度を示すことで相手の言動を変えるという、コミュニケーション手段になっているのです。
不機嫌なコミュニケーションをとる真意は?
なぜコミュニケーションに不機嫌を取り入れるのでしょうか。きちんと話せば済む話ですが、夫婦になると話すこと自体がめんどくさいという人もいるでしょう。話せば自分の方の筋が通らないと、分かっている場合もあります。
たいてい、このコミュニケーション法をとるときは「めんどくさい」「自分の都合の良いようにしたい」「嫌で仕方ない」という気持ちが隠れています。
どうすれば状況を打開できるのか
「不機嫌という名のコミュニケーション」が習慣化してしまうと、一緒にいる方としては辛いところですよね。いつでも顔色を伺うことになりますし、相手の都合に合わせることになります。家事育児その他雑務などの負担も、当然増えるでしょう。