4. 遺産トラブルの約8割は「5000万円以下」の家庭で起きている
老後資金の準備とあわせて、親からの相続についても早めに意識しておきたいところです。
「財産がそれほど多くない家庭なら相続でもめることはない」と思われがちですが、実際のデータは異なる傾向を示しています。
最高裁判所「令和6年 司法統計年報(家事編)」によると、家庭裁判所で成立した遺産分割事件のうち、遺産総額5000万円以下のケースが約78%を占めています。
この結果からは、多額の資産を保有する家庭だけでなく、自宅や預貯金などが中心の一般的な家庭でも、相続トラブルが起こり得ることがわかります。
親の財産内容を把握しないまま相続を迎えると、遺産分割の協議が長期化し、精神面・経済面の負担につながる可能性もあるでしょう。
5. まとめにかえて:お盆の集まりを「これからの家族」を考える第一歩に
50歳代や60歳代は、親のライフステージの変化を支えつつ、ご自身も定年やセカンドライフという大きな転換期を迎える多忙な世代です。
老後資金をしっかり確保していくことはもちろん最優先ですが、それと同じくらい「負の遺産」になりかねないお墓の問題や、実家の財産整理をどう進めるかも、将来の安心を大きく左右します。
記事内で触れたように、墓じまいなどの生前整理には決して安くはない費用が発生します。「自分たちの老後にいくら必要か(貯蓄の現在地)」と「親や自分のお墓・財産をどう着地させるか(終活)」は、まさに表裏一体の課題と言えるでしょう。
せっかくご家族が集まるお盆休み。いきなり深刻な相続話やお金の話をするのはハードルが高いかもしれませんが、「最近、お墓の草むしりも大変になってきたね」「終活っていつから始めるものかな」と、世間話の延長で軽く水を向けてみるのも良いですね。
元気なうちに家族で方向性を共有し、お金と終活の計画を立てていきましょう。