4. 【国民生活基礎調査】5割超のシニアが「生活が苦しい」と嘆くリアル。年金頼みの限界

年金は税金や社会保険料が差し引かれるため、実際に手元に残る金額は額面より少なくなります。

では、現在のシニア世代は、日々の年金生活をどのように感じているのでしょうか。

厚生労働省が公表した最新の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の生活意識の現実は非常に厳しいことがわかります。

同調査によれば、生活が「大変苦しい」(25.2%)、「やや苦しい」(30.6%)と回答した世帯を合わせると55.8%にのぼり、過半数のシニア世帯が経済的な厳しさを感じている実態が浮き彫りになりました。

一方で、「普通」は40.1%、「ゆとりがある(大変+やや)」と答えた世帯はわずか4.2%にとどまっています。

また前述の通り、年金を受給している高齢者世帯のうち43.4%が「収入のすべて(100%)を公的年金・恩給に依存している」こともわかっています。

額面通りには受け取れない年金収入に大きく依存しながらも、昨今の物価上昇の影響により、過半数が生活の苦しさを実感しているのがいまどきのシニアのリアルな姿と言えます。

5. 年金頼みの限界にどう備える?最新の制度改正と現役世代にできる対策

今回は、公的年金制度の基本や2026年度の改定額、そしてシニア世代の受給実態と生活意識について解説しました。

2026年度の年金額は4年連続のプラス改定となりましたが、物価の上昇率には届いておらず、実質的な目減りが続いています。

公的年金のみに依存した生活は、過半数のシニアが「苦しい」と感じる厳しい状況です。物の値段が上がる時代には、預貯金の額面が変わらなくても、購入できるものが減ってしまうというリスクがあります。

一方で、2025年に成立した「年金制度改正」により、これからの公的年金は「多様な働き方」や「長く働くこと」を後押しする制度へと変わっていきます。

具体的には、短時間労働者の厚生年金への加入対象が拡大されるほか、働きながら年金を受け取る際の「在職老齢年金」の支給停止調整額が2026年度から65万円に引き上げられ、年金が減額されにくくなります。

さらに、遺族厚生年金の男女差解消や、一定以上の月収がある人の標準報酬月額上限の引き上げ、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢の上限引き上げなども盛り込まれました。

これらの改正内容からもわかるように、これからの時代は長く働き続けて収入と将来の手厚い年金を確保することと、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用し、蓄えの一部を働かせることが欠かせません。

お金の不安を少しでも和らげ、豊かなセカンドライフを迎えるために、今できることから少しずつ行動を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料