2. 【障害年金】約13万件の新規受給者、約6割を占める「精神・知的障がい」で最多

障害年金の支給は、特定の病名だけで決まるわけではありません。その病気やケガによって、日常生活や仕事にどの程度の支障が生じているかが総合的に判断されます。そのため、障害者手帳の有無にかかわらず申請でき、身体的な障がいだけでなく、精神疾患や外見からはわかりにくい内部疾患など、幅広い病気が対象となります。

  • 精神・知的障がい:うつ病、統合失調症、発達障害、認知障害など
  • 外部障がい:手足の機能障害、視覚・聴覚の障害など
  • 内部障がい:がん、心疾患、腎疾患、呼吸器疾患、糖尿病、血液疾患など

2.1 新規受給者の内訳:精神・知的障がいが高い割合

日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」に基づき、どのような障がいで支給決定されたケースが多いのか、診断書の種類別に支給件数を見ていきましょう。

令和6年度 診断書種類別の支給件数2/2

令和6年度 診断書種類別の支給件数

出所:日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」

支給が決定された件数のうち、最も高い割合を占めたのは「精神・知的障がい」でした。

  • 新規裁定(新たに受給を開始した方)約13万件のうち、67.0%にあたる約8万7000件
  • 再認定(受給更新の方)約30万6000件のうち、79.1%にあたる約24万件

精神・知的障がいの分野では、新規・更新ともに多くの支給決定がなされています。障害年金は、障がいがある方々の生活を経済面から支える重要な社会保障制度であり、今後も公正な判定と制度のさらなる充実が求められます。

3. 【障害年金】初診日の証明など「よくある質問」を解説

ここからは、障害年金の申請や受給に関して、多くの方が抱える疑問点について解説します。

3.1 Q1. 初診日を証明する書類がない場合はどうしたらいい?

障害年金の請求手続きでは初診日の証明は非常に重要です。しかし、病院が閉院していたり、カルテがすでに破棄されていたりして、証明書を取得できないこともあります。そのような場合でも、診察券やお薬手帳など、初診日を客観的に推測できる資料があれば、申し立てた日が認められる可能性があります。すぐに諦めず、まずはお近くの年金事務所に相談してみることをおすすめします。

3.2 Q2. 障害認定日から時間が経っていても請求できますか?

障害認定日から数年が経過していても、請求すること自体は可能です。その際は、障害認定日当時の診断書と現在の診断書の2通を提出する必要があります。ただし、公的年金には5年の時効がある点に注意が必要です。給付を受け取るためにも、該当する可能性のある方は、早めに専門窓口へ相談するのが安心です。

3.3 Q3. 受給中に症状が悪化した場合、等級の変更は可能?

現在、3級の障害厚生年金などを受給中の方が、病状の悪化によってより上位の等級に該当する状態になった場合、「額改定請求」を行うことで年金額を見直せます。この請求は、原則として65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。ただし、過去に一度でも障害基礎年金の受給権(2級以上)を得たことがある方は、65歳以降でも改定請求ができます。