・年配のタクシー運転手から「その場所、よくわかんないからさ、道案内してくれる?」
・渋谷駅の近辺にて「あのさぁ、ハチ公前ってどう行ったらいいの?」

見知らぬおじさんにタメ口で話しかけられる。こんな経験は、多くの人がお持ちではないでしょうか。

かつては年功序列の価値観が浸透していたため、当たり前のように受け入れられていた「タメ口おじさん」。しかし、特に今の若者には「敬う人は自分で決める」という価値観も広まっていたりして、「タメ口おじさん」を心理的に敬遠する人たちも多いようです。若者たちは、どんなところにイラッときているのか、具体的に見てみたいと思います。

タクシードライバーの「タメ口おじさん」

「タメ口おじさん」に対するネット上の声を見ていくと、特定の職業・立場に対しての意見もよく見られます。

まず多く挙がっているのは、タクシードライバーに関する怒りの声です。

「ドライバーのおっさんがろくに道も知らない上になぜかタメ口」
「丁寧な若い運ちゃんでも不快なおっさんでも同じ距離走れば運賃同じなのがまったく納得いかない」
「駅から10分くらいの場所伝えてもわからず、わからないまま走り出し、会話後にカーナビは電源いれず。終始タメ口の高齢ドライバー」

また、郵便局の「タメ口おじさん」について嫌な思いをしたことがあるという意見もよく見られます。

「郵便配達員の態度悪すぎんだろ、50代くらいのおじさんなんだけど、タメ口で『今からそっちいきたいんだけど!いっていい?』て言われた」
「郵便局きたんだけど窓口のおじさんにタメ口きかれて、多分私が『ン?』って顔したからか、その後の会話がちゃんと敬語になった」

モデルやグラビアアイドルとして活躍するタレントの石川恋さんも、郵便局での出来事について、以前に次のようなツイートをしていました。

「郵便局のおじさんがめっちゃくちゃタメ口で、挙句の果てに何!?って怒り口調で言ってきて、むかつき通り越してえ、なんで?っていう疑問」

役所の窓口の「タメ口おじさん」

ほかには、役所の窓口に対する声も多く寄せられています。

「さっき役所の人間と話した時に、俺が年下てわかってたからって初めましてやのにタメ口でやたら馴れ馴れしく話されてイラッとした」
「役所の窓口にいったらおっさんが平気でタメ口で話していたし、納税者だぞヘコヘコしやがれとは言いませんが、礼儀というか社会性がない人でもお勉強さえできれば公務員になれるんでしょうね」
「若い窓口の人の応対と50代以上(特におっさん)の応対とでレベル差ありすぎ」

3番目の意見のように「若い人はとても丁寧なのに、その上司のはずの年配の人の対応がどうしようもない」といった嘆きもよく見られます。そのほか、怒りの声が多く上がっているのは、同じく公務員である警察官です。

「警察官の人のタメ口ってなんでなくならないんだろ?ただ道聞いただけなのに10年くらい付き合いがある友人みたいだ」
「公務員で最もタメ口が多いのが警察官。自分が偉いと勘違いしとるんやな」
「自分は警察官にタメ口で話しかけられたとき、『知り合いでもないのになんで敬語じゃないんですか?』って言ってやりましたよ」

これはおじさんに限らずのようで、「明らかに年下の若い警官からタメ口きかれて腹が立った」という声も数多く上がっています。職務上で「犯罪者になめられてはいけない」という点もあるのかもしれませんが、犯罪者じゃない一般人からすると納得がいかないところではあります。

若い女性にだけ「タメ口おじさん」

また、相手の職業にかかわらず、自分が「若い女性であること」を理由にタメ口で話されることに対してモヤモヤしている人も数多くいます。

「タメ口おじさんが若い女から嫌われるのって無意識のうちに『自分の方が上だ』っていう意識で接してくるのがものすごく透けて見えてるからなんだと思う」
「女性や年下には敬語を使えないようにプログラムされたおじさんってたまにいるんですよ」
「おじさんが運転するタクシーに上司(50代男性)と乗るときはあんまりタメ口きかれないのに、なんで私一人で乗ったときは9割タメ口なのよ」

また、「おばさん」ではなく「おじさん」が多いという点を指摘する意見もあります。

「現実世界でも、おっさんのタメ口率の高さはおばさんの比ではない。『年上である』&『男である』という二重の驕りが彼らをそうさせるんだろうなぁと思うことしきり」
「ただ男だというだけで誰でも優遇されてた時代の名残なんだろうな」

タメ口おじさんは、タメ口の若者に出会うとバグる!?

2018年9月、「素焼きテラコッタの埴輪」さん(現在はアカウントが消去されています)のあるツイートに、約6万件のいいねがついていました。

「オッサンがバグるという表現すごく的確、タメ口で話しかけてきた知らないオッサンにタメ口で返すとオッサンはほぼ確実にバグる
先日旅行中見知らぬオッサンに『シャッター押してくれる?』と言われたから『いいよ、カメラ貸して』と返したら心底不愉快そうな顔をされた、快諾してるのに何が不満なんだ」

「タメ口おじさん」は、どうも「自分より年下の人間に対してタメ口で話しかけても敬語で返ってくる」と思っている節があるようです。しかし、若者たちはこうしたおじさんたちに対して、思った以上に腹を立てているように見えます。

「タメ口で話しかけてくるおっさんにタメ口で返したらだいたい『えっ!』とフリーズする。なんで自分の無礼には気づかないのか不思議」

こうした「タメ口返し」を実際にしてみたという投稿はほかにもありますが、「自分もやってみたい!」といったリプライも多くついています。こういったツイートへの反応は、「わかる!」という共感のものと、「年上は敬うべきなんだから、ツイート主は失礼だ!」というものの大きく2種類が見られます。

しかし、良くも悪くも年功序列意識が薄れつつある今の世の中、後者は少し分が悪そうです。もちろん、敬語で丁寧に話しかけるおじさんもいますが、初対面なのに突然タメ口で話しかけてくるおじさんも多いのが現実かもしれません。

結局、人にもよるよね

もちろん、コミュニケーションである以上、イラッとくるかどうかは、どうしても「話す人のキャラクター」にも左右される点はあります。たとえば次のようなものです。

「繁華街の友達感覚で喋りかけてくるショップ店員はイラっとくるが、老舗の大衆食堂や商店街とかの、おじちゃん、おばちゃんの敬語を使わないタメ口は別に腹が立たないな」
「いい感じの焼き鳥屋とかで、70歳ぐらいのおっちゃんが明るいタメ口で接客してるとかは許せる」

ほかにも、「『タメ口』『敬語使わない』ことはそんな怒るほどのことなの?」「そもそもそんなことに目くじらを立てなくても……」という声もあります。

最後に紹介するのは、「自分の家族」に対してモヤモヤしている若い人の声です。

「店員にタメ口で話すおっさん基本的に嫌いなんだけど、親父が知らぬ間にそのタイプになってて草」
「うちの家族、祖母はまぁしょうがない(のか?)として、父も母も叔父も叔母も店員にタメ口なの、年齢的にもうどうしようもないんですかね?すごくイヤ」

「タメ口」に対するジェネレーションギャップを感じさせる意見でもあります。こうした声を見ても、今後は「知らない人には敬語」というのはある程度、スタンダードになっていくのかもしれませんね。ここまで、一般の人のさまざまな意見を見てきましたが、みなさんはどう思われますか?

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