厚生労働省が2026年8月5日に公表した「被保護者調査(令和8年5月分概数)」によると、生活保護を受けている世帯は全国で164万1803世帯となりました。世帯類型別では、65歳以上のみで構成される高齢者世帯が55.3%を占め、そのうち単身世帯は51.7%に上っています。

奥田 朝
住民税非課税世帯向けの支援制度は、対象者自身が申請しない限り使われないまま終わってしまうケースが多いと感じます。まずはどんな制度があるのか、要点を押さえていきましょう。

一方、「住民税非課税世帯」は生活保護世帯とは異なり、一定以下の所得で住民税が課税されない世帯を指します。生活保護を受給していなくても、所得や世帯の状況によって住民税非課税となるケースは少なくありません。

住民税非課税世帯は、給付金だけでなく、医療費や介護費の軽減など、さまざまな公的支援の対象となることがあります。

本記事では、住民税非課税世帯が利用できる主な支援制度に加え、給与所得者や年金受給者が住民税非課税となる所得の目安について、分かりやすく解説します。

なお、住民税の制度に関する詳しい説明は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度

あわせて、まとまった資金の活かし方に悩む40歳代の相談事例や、FAによるアドバイス、NISA運用のシミュレーションもご紹介します。将来に向けた資産づくりの参考としてお役立てください。

1. 記事を読むとわかる3つのポイント

  •  住民税非課税世帯は、国保・介護保険料の減免など5つの優遇制度を利用できる
  •  非課税の判定基準は「所得」がベースで、給与・年金それぞれにボーダーラインがある
  •  まとまった資金の活かし方に悩む40歳代の相談事例と、FAによるアドバイス、NISA運用シミュレーションも紹介

2. 【住民税非課税世帯】おもな優遇制度5つをまとめて確認

住民税非課税世帯に該当すると、次のような優遇制度を利用できる可能性があります。

  • 国民健康保険料(応益割)の減額:均等割・平等割が「7割・5割・2割」のいずれか軽減
  • 介護保険料の減額:65歳以上の第1号被保険者が対象。減額幅は自治体ごとに異なる
  • 国民年金保険料の免除・納付猶予:全額免除・一部免除・納付猶予のいずれかが適用
  • 保育料の無償化:0~2歳児の保育料が無償
  • 高等教育の修学支援新制度:授業料・入学金の減免、返済不要の給付型奨学金

このほかにも、自治体独自の支援制度が用意されているケースがあります。

3. 【住民税非課税世帯】住民税が非課税となる「所得」の基準

住民税は「均等割」(所得に関係なく一律に課税される部分)と「所得割」(所得に応じて税額が決まる部分)の2層構造になっており、この両方が非課税となる状態を「住民税非課税」と呼びます。

住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造1/2

個人住民税のしくみ

出所:総務省「個人住民税」

住民税が非課税となる所得基準は自治体ごとに異なりますが、ここでは神戸市の例を目安として紹介します。

35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+10万円+21万円

この基準を超えない場合、住民税(市県民税)は課税されません。

奥田 朝
均等割と所得割、どちらも非課税でなければ「住民税非課税」にはなりません。片方だけ非課税というケースもあるため、両方の基準を確認することが大切です。

4. 【住民税非課税世帯】具体的な給与・年金の収入基準はいくら?神戸市の事例

住民税の非課税ラインは、世帯人数だけでなく収入の種類によっても異なります。ここでいう所得とは、収入から各種所得控除を差し引いた後の金額です。神戸市の基準を実際の収入額に置き換えると、次のようになります。

単身世帯

合計所得金額が45万円以下になる方

  • 給与収入のみで収入金額が110万円以下
  • 年金収入のみで収入金額が155万円以下(65歳以上)
  • 年金収入のみで収入金額が105万円以下(65歳未満)

同一生計配偶者または扶養親族が1名いる場合

合計所得金額が101万円以下になる方

  • 給与収入のみで収入金額が166万円以下
  • 年金収入のみで収入金額が211万円以下(65歳以上)
  • 年金収入のみで収入金額が171万3334円以下(65歳未満)

このように、非課税となる基準は世帯人数や収入の種類によって変わるため、ご自身の状況に当てはめて確認しておくことが大切です。

なお、判定に使われるのは額面の「収入」ではなく、そこから所得控除を差し引いた「所得」であるため、額面の年収だけで判断してしまうと、対象外だと思い込んでしまうケースも少なくありません。

奥田 朝
自治体によって基準額が異なるため、他の地域の例をそのまま自分に当てはめるのは禁物です。お住まいの自治体の窓口や公式サイトで、正確な基準を確認しましょう。