4. 【積立額別】10年間で「1000万円」を目指す場合

老後に必要な資金は家庭ごとに異なりますが、ここでは1000万円を目標としたケースを想定します。

50歳から60歳までの10年間でこの金額を準備するには、毎月どの程度の積立が必要になるのかを試算します。

4.1 【試算結果を見る】「10年間」×5%で積立投資

【新NISA】積立金額別「想定利回り5%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り5%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

毎月の積立金額:資産評価額

  • 5万円:772万円
  • 6万円:926万円
  • 7万円:1081万円
  • 8万円:1235万円
  • 9万円:1389万円

※想定利回り:年5%

試算の結果、年利5%で10年間運用した場合、毎月7万円を積み立てることで1000万円を超える資産形成が可能となります。

ただし、月7万円の積立は負担が大きく、また利回りも確実ではないため、想定通りに資産が増えない可能性がある点には注意が必要です。

そのため、老後資金の準備はできるだけ早い段階から始めることが重要です。

たとえば、50歳から60歳までの10年間、同じく年利5%で積立を行った場合、1000万円を目指すために必要な毎月の積立額は7万円になります。

筒井 亮鳳

毎月7万円という数字を見て「無理だ」と感じた方も多いはずです。ですが、これは10年という短い期間で1000万円を目指した場合の話。運用期間を長く取れば、毎月の負担はぐっと軽くなります。焦って高い金額を積み立てる必要はありません。目標額と期間から逆算して、続けられる金額に落とし込む。これが遠回りに見えて一番の近道です。

5. IFAがレクチャー《ステップアップ投資のやり方》ライフステージや収入に合わせて積立額をアップ

最初から大きな金額を投資に回すのが難しい場合でも、将来的に積立額を増やしていくアプローチは非常に有効です。

例えば、仕事でのキャリアアップや家計の見直しによって手元資金に余裕ができたタイミングで、徐々に投資額を引き上げていく方法です。

たとえば、毎月5万円を10年間積み立てた場合、元本は合計600万円となります。

さらに、年利3%で運用した場合、最終的な資産は約697万円となり、元本の約1.2倍に成長する試算です。

このアプローチの大きなメリットは、家計に過度な負担をかけることなく投資を習慣化できる点にあります。最初は少額からスタートし、給与の増加や固定費の削減ができたタイミングで投資額を増やすことで、無理なく効率的に将来の資産を拡大していくことができます。

資産運用において最も大切なのは、途中でやめずに「長く続けること」です。

まずは自分のできる範囲から一歩を踏み出し、状況に応じて積立ペースを調整しながら、着実に資産を積み上げていきましょう。

筒井 亮鳳

最初から満額を積み立てる必要はなく、収入や家計の状況に応じて後から増やしていく、というのが現実的なやり方です。大事なのは、途中でやめずに長く続けること。それに尽きます。無理な金額から始めて数カ月でやめてしまう人より、少額でもコツコツ続けている人のほうが最終的にしっかり資産を築いているものです。

【免責事項】

  • 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
  • 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
  • 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。

6. 監修者から:50代からの老後資金づくり、押さえておきたいポイント

中本 智恵

今回のシミュレーションを見ると、50歳から60歳までの10年間、毎月5万円を年利3%で積み立てた場合の資産評価額は約697万円、1000万円を目指す場合は毎月約7万円の積立が必要という結果になっています。

銀行の窓口でも、老後資金づくりを50代から本格的に考え始める方は多く、「今からでも間に合うか」というご相談をよくいただきました。運用期間が短くなるほど、目標額を達成するために必要な毎月の積立額は大きくなる点を理解しておくことが大切です。同じ目標金額でも、40代から始めるのと50代から始めるのとでは、毎月の負担額に大きな違いが出ます。

また、運用利回りはあくまで試算上の前提であり、実際の運用成果を保証するものではありません。想定通りに増えない可能性も踏まえ、生活費に充てる資金とは別に、余裕資金の範囲で取り組むことが基本です。

50代からの資産形成では、新NISAだけでなく、退職金の受け取り方やiDeCoとの組み合わせなど、老後全体のお金の流れを見据えた計画を立てることをおすすめします。特定の制度だけに頼らず、公的年金の見込み額もあわせて確認しておくと、老後の収支をより具体的にイメージできます。まずはご自身の資産状況を把握し、無理のない一歩を踏み出しましょう。

参考資料

筒井 亮鳳