株式市場の振り返り-今年3番目の上昇率で大幅続伸も、商いは盛り上がらず

2016年3月2日(水)の東京株式市場は大幅続伸となりました。日経平均株価は前日比+4.1%の上昇、TOPIXは+3.7%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数は+2.1%の上昇となりました。

日経平均株価は、1日の欧米株式市場の大幅高、円安の進行などを好感し、+305円高の16,391円で寄り付きました。その後も上げ幅を広げ、前場は前日比+649円高の16,734円で引けました。

後場もそのまま堅調な相場が続き、一時は16,800円台を回復しています。結局、日経平均株価の終値は前日比+661円高の16,746円となり、2016年に入ってから3番目の上昇率となりました。

東証1部で上昇したのは1,824銘柄、値下がり82銘柄、変わらず36銘柄でした。東証1部の出来高は24億8,977万株、売買代金は2兆5,934億円(概算)となっています。出来高・売買代金も前日を上回りましたが、大幅上昇した割には、依然として商いが低水準です。

セクター動向と主要銘柄の動き-全33業種が上昇。うち5業種は5%超えの大幅上昇

東証では全33業種が上昇しました。上昇率が高かったのは、鉄鋼+6.0%、保険業+5.7%、海運業+5.6%、電気機器+5.3%、機械+5.0%などでした。一方、比較的上昇率が低かったのは、水産・農林業+1.1%、陸運業+1.5%、空運業+1.8%となっています。全面高の中、内需関連業種の上昇率が低かったようです。

個別銘柄では、ビットコイン関連銘柄のマネーパートナーズグループ(8732)は本日もストップ高となり、年初来高値を更新しました。また、ドローン宅配実験の観測記事が報じられた楽天(4755)とヤマトホールディングス(9064)が買われました。円安進行を受けて、トヨタ自動車(7203)などの自動車株も反発しています。他には、メガバンク株、ソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)など、幅広く買われたと言えましょう。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-今年初の3連騰を外需関連銘柄に託す

2日(水)の日本株式市場は大幅高になり、ホッと一息ついた感じはあります。しかし、売買代金が2兆6,000億円弱に止まっており、“力強い回復”や“本格的な回復”という状況にはまだ程遠いと言えましょう。大幅上昇に対しても、依然として疑心暗鬼のままでいる投資家が多いことが伺えます。実際、2016年に入ってから、1月22日の+5.8%上昇、2月15日の+7.1%上昇と大幅上昇したものの、結局は糠喜びに終わったことを忘れていないと推察されます。

依然として様子見ムードが強い投資家心理を好転させるためには、単発の大幅高よりも、やはり、連騰が必要不可欠です。3日(木)は、今年初の3連騰へ5回目のチャレンジになります。連騰が続くことで、様子見スタンスの投資家が次々に再参戦し、それに伴って出来高(特に売買代金)が増えるという“ポジティブサイクル”が出来上がることが重要です。

幸いなことに、2日の日経平均株価は、ボックス圏相場の上限レンジと見られていた16,500円を終値でも超えました。残念ながら、株価を押し上げる材料不足である状況に変わりはありませんが、些細な好材料にもポジティブに反応する下地が整いつつあります。

この観点から、3日は好材料を無理矢理にでも探す動きが出て来るかもしれません。また、4日(金)に米国の雇用統計発表を控えていますが、米国株式の好調を踏まえ、好結果を期待する向きも強まる可能性があります。円安も進んでいることから、引き続き、自動車、電気機器、精密機械などの輸出関連株に注目したいと思います。

【2016年3月3日 投信1編集部】

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LIMO編集部