消費増税実施まであと1カ月強、コンビニ利用時の注意点は?

消費増税の実施まであと1カ月強となりました。さすがに、ここで実施見送りの選択肢はないと思われますから、2014年4月にそれまでの5%が8%に引き上げられて以来、5年半ぶりの増税実施となります。

ただし、今回は軽減税率制度が導入される点において、従来の増税時とは大きく異なります。この軽減税率制度は思った以上に複雑なため、全てを完全理解するには相当な時間を要するでしょう。

そこで、皆さんが日頃よく利用するコンビニエンスストアでの購入に的を絞って、その注意点を見ていきます。

そもそも「軽減税率制度」とはどのような内容か

軽減税率制度とは、令和元年10月1日に消費税及び地方消費税(以下「消費税等」)が現行の8%から10%へ引き上げられるのに際し、主に低所得層への配慮から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に実施される制度です。これら対象物品は、現行の8%が据え置きとなります。

なお、この先は、「標準税率」=10%、「軽減税率」=8%とします。

弁当等のテイクアウトは軽減税率(8%)、イートインでの食事は標準税率(10%)

コンビニで一番問題になりそうなのが、イートインスペースでの食事でしょう。結論から言うと、同じ弁当等でも、テイクアウト(持ち帰り)は軽減税率、イートインでの食事は標準税率となります。つまり、イートインでの食事は「外食」と位置付けられるのです。

“何だ、簡単じゃないか”と思うかもしれません。しかし、コンビニの店員がいちいち“テイクアウトですか?イートインですか?”と聞いて購入代金を処理するのは、結構大変な作業です。店員が聞くのは“ポイントカードはありますか?”だけで十分な気がします。

また、たとえば、おにぎり2個(ツナ130円と明太子150円)と缶コーヒーを買って、おにぎり1個(ツナ)だけイートインで食べて帰る等の場合、もうワケが分からなくなります。さらに、もし、間違ってツナではなく価格の高い明太子のおにぎりを食べたら…となると、これは完全に対処不可能です。

そこで、おそらく、ほとんどのコンビニでは「お願い:イートインスペースを利用して飲食する方はお申し出下さい」というような案内板を掲示するものと予想されます。逆に言うと、客が申し出ない限り、弁当等はテイクアウト前提の軽減税率ということになります。

そうすると、軽減税率で買った弁当を(本来は標準税率の)イートインで食する不届き者が出てくるでしょうが、それはある程度織り込み済みと考えていいでしょう。

ファストフード店のテイクアウトやピザ宅配も軽減税率

ちなみに、この考え方はファストフード店にも適用され、テイクアウトは軽減税率、店内飲食は標準税率となります。ただし、店内飲食を選択した食事の食べ残りを持ち帰る場合、これはテイクアウトとは見なされず標準税率となりますのでご注意ください。なお、ファストフード企業によってはテイクアウトと店内飲食を均一価格にする動きがありますので確認が必要です。

一方、見た目はテイクアウトではないものの、ピザの宅配やソバの出前などは準テイクアウトとして軽減税率の対象になります。

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