2025年年金制度改正で変わる「106万円の壁」と社会保険の適用拡大
2025年の年金制度改正により、社会保険の加入要件が見直され、いわゆる「106万円の壁」は解消される方向へと進みます。
パート・アルバイトなど短時間労働者への社会保険適用拡大
月額賃金要件の撤廃とその影響
これまで加入基準の一つだった「月額8.8万円以上」という賃金要件が、最低賃金の状況を踏まえつつ2028年6月までに撤廃されます。今後は収入額によらず、週20時間以上働くかどうかが判断の柱となります。
企業規模要件の段階的な見直し
勤務先の従業員数による制限も、2027年10月から10年かけて段階的に引き下げられます。最終的にはすべての企業において、労働時間等の条件を満たせば社会保険の対象となります。
今後の働き方を考える上でのポイント
制度の変更に伴い、保険料負担による手取りの変化や将来の年金増、健康保険の保障内容など、個々の家庭状況やライフプランに合わせた働き方の選択がこれまで以上に重要になります。
また、扶養の基準である「130万円の壁」についても、この適用拡大の流れの中で相対的にその重要性が変化していくことが予想されます。
まとめ
今回は、60歳以上のシニア世代が対象となる、申請が必要な公的給付について5つの制度をご紹介しました。
公的年金に上乗せされる「加給年金」や、所得が一定基準以下の場合に支給される「老齢年金生活者支援給付金」は、年金生活の大きな助けとなります。
また、働き続ける方を支援する雇用保険の「再就職手当」や「高年齢雇用継続給付」、「高年齢求職者給付金」も、セカンドライフの経済的な基盤を支える重要な制度です。
これらの給付は、いずれも自動的に支給されるものではなく、ご自身での申請手続きが不可欠です。
自分が対象になるか分からない場合は、お近くの年金事務所やハローワークに相談してみてはいかがでしょうか。
利用できる制度を正しく理解し、豊かな老後生活に役立てていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」第2節 高齢期の暮らしの動向1 就業・所得
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表」1 主な年齢の平均余命
- 日本年金機構「か行 加給年金額」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「「年収の壁」への対応」
石津 大希
