3. もし認知症になったら?資産管理への影響と対策
認知症対策を検討する上で、資産管理やさまざまな契約手続きにどのような影響が出るのかという点は見過ごせません。
認知症を発症すると記憶力や判断能力が衰え、預貯金の出し入れや契約といった手続きを自分自身で進めるのが困難になるケースがあります。
具体例を挙げると、不動産の売却、介護施設への入居契約、あるいは遺産分割協議など、本人の明確な意思確認が求められる場面では、判断能力が不十分だと手続きが滞ってしまうことがあります。
加えて、契約内容をよく理解できないままサインをしてしまい、悪質な商法や詐欺のターゲットになる危険性も高まるといわれています。
このように判断能力が十分でない方を法的に支援するための制度として「成年後見制度」が設けられています。
この成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などが原因で判断能力が低下した方に代わり、選任された後見人が財産管理や契約手続きなどをサポートする仕組みです。

高齢化が進行し、認知症や軽度認知障害(MCI)を抱える方が増えている現代において、老後の準備は年金や貯蓄といった金銭面だけでは不十分です。
もし将来、ご自身やご家族の判断能力が低下する事態に直面したときに備えて、資産の管理方法や医療・介護に関する希望をあらかじめ整理しておくことが、ますます重要になっています。
このような背景もあり、近年では「終活」に対する関心が高まり、エンディングノートなどを活用して、元気なうちから準備を始める方が増えつつあります。
次の章では、終活に対する人々の意識や、実際の取り組みがどの程度進んでいるのかについて見ていきます。