6月15日の年金支給日を迎え、今年度(2026年度)の新しい改定額が反映された年金を初めて手にした方も多いのではないでしょうか。
2026年度(令和8年度)の年金額は、前年度比で国民年金が1.9%増の月額7万608円(満額)、厚生年金が2.0%増の月額23万7279円(夫婦2人分)へと引き上げられました。

物価高が続くなかで実施されたこの増額は、現在年金を受給中の方にとってはもちろん、これから受け取る予定の方にとっても老後の生活設計に関わる重要な情報です。

日本の公的年金は「2階建て」構造が特徴で、現役時代の働き方や収入によって将来の受給額が大きく異なります。厚生労働省が公表した最新の試算でも、具体的なライフコース別に年金額がどのくらい変わるのかが示されています。

この記事では、2026年度の改定額の詳細を振り返るとともに、次回の年金支給日となる8月14日(金)に向けたスケジュールを確認します。

さらに、遺族厚生年金の男女差解消に向けた見直しなど、私たちの生活に密接に関わる年金制度の最新情報についても詳しく解説していきます。

1. 日本の公的年金制度、その基本構造とは

日本の公的年金制度は、老後の生活を支える「老齢年金」だけでなく、病気やケガで生活に支障が出た場合に受け取れる「障害年金」、そして家計を支える方が亡くなった際に家族が受け取れる「遺族年金」という、3つの大きな保障機能を備えています。

一般的に「年金」というと、多くの方がリタイア後の「老齢年金」を思い浮かべるかもしれません。

1.1 国民年金と厚生年金から成る「2階建て」の仕組み

「2階建て構造」と呼ばれるこの仕組みは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、2階部分の「厚生年金」で構成されています。現役時代の働き方が、将来受け取る年金額に大きく影響するのが特徴です。

ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な違いや、それぞれの老齢年金の受給額について確認していきましょう。

1.2 1階部分:国民年金(基礎年金)の概要

加入対象者は?

  • 原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方(職業や国籍は問いません)

年金保険料は?

  • 全員が同じ金額で、年度ごとに見直されます(※1)

老齢年金の受給額は?

  • 保険料を全期間(480カ月)納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取ることができます(※2)

※1 国民年金保険料:2026年度の月額は1万7920円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2026年度の月額は7万608円です。

1.3 2階部分:厚生年金の概要

加入対象者は?

  • 会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し、一定の条件を満たす方が対象です(国民年金に上乗せして加入します)(※3)

年金保険料は?

  • 収入額に応じて保険料が決まります(上限設定あり)(※4)

老齢年金の受給額は?

  • 加入していた期間や納めた保険料の額によって、受給額は一人ひとり異なります

このように、国民年金と厚生年金とでは、加入対象者や保険料の決定方法、老齢年金の計算方法に違いがあります。

その結果、現役時代の年金加入状況によって、実際に受け取る老齢年金額には自然と個人差が生じることになります。

※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者を除く、共済組合員を含む)の総数が51人以上になる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。

1.4 【2026年】年金支給日カレンダーとスケジュール

公的年金は、原則として「偶数月の15日(※5)」に、その前の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です。

2026年の年金支給日と支給対象月は、以下のスケジュールになっています。

2026年の年金支給日2/7

2026年の年金支給日

出所:日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか」をもとにLIMO編集部作成

  • 2026年2月13日(金):2025年12月・2026年1月分
  • 2026年4月15日(水):2月・3月分
  • 2026年6月15日(月):4月・5月分 ★新年度の改定額が反映
  • 2026年8月14日(金):6月・7月分
  • 2026年10月15日(木):8月・9月分
  • 2026年12月15日(火):10月・11月分

※5 支給日が土日・祝日にあたる場合は、その直前の金融機関営業日に前倒しで支給されます。