6月は夏のボーナスが支給される時期でもあり、ご自身の資産状況を見直す方が増える季節です。
近年、株価の上昇や資産運用の広がりを背景に「富裕層」や「超富裕層」が増加しているといわれる一方で、物価高が続く中で老後資金や日々の生活費に不安を抱える世帯も少なくありません。
実際に、純金融資産1億円以上を保有する世帯は増えていますが、日本全体で見ればまだ少数派といえるでしょう。
また、平均的な貯蓄額は年代や家族構成によって大きく異なり、平均値だけでは実態を把握しにくいのが現状です。
そこでこの記事では、日本に富裕層・超富裕層がどのくらい存在するのかをデータで確認し、年代別の平均貯蓄額やシニア世代の生活に対する意識について詳しく見ていきます。
1. 日本の「富裕層」「超富裕層」の割合は?世帯数と純金融資産を解説
株式会社野村総合研究所が公表した「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」によれば、2023年における富裕層および超富裕層の世帯数は、2005年以降で最多を記録しました。
この調査では、純金融資産の保有額に応じて以下のように階層を定義しています。
- 富裕層:1億円以上5億円未満
- 超富裕層:5億円以上
それでは、これらの富裕層・超富裕層は、日本全体の世帯の中でどのくらいの割合を占めているのでしょうか。
1.1 純金融資産1億円以上の世帯数とその割合
- 富裕層:153万5000世帯
- 超富裕層:11万8000世帯
日本の全世帯数に対する割合は、それぞれ以下のようになっています。
- 富裕層:約2.75%
- 超富裕層:約0.21%
ちなみに、前回実施された2021年の調査結果は以下の通りでした。
- 富裕層:139万5000世帯
- 超富裕層:9万世帯
割合で見るとごく一部に思えますが、世帯数自体は着実に増加していることがわかります。
2. 富裕層が増加している理由とは?考えられる背景を解説
近年、富裕層や超富裕層が増加している背景には、株式や投資信託といった金融資産の価格上昇が大きく影響していると考えられます。
もともと多くの金融資産を保有していた世帯が、資産価格の上昇によってさらに資産を増やし、富裕層の仲間入りをするケースが増加しているのです。
加えて、親などからまとまった資産を相続し、富裕層となる世帯も少なくありません。
さらに、資産運用を継続する中で資産を大きく増やした世帯や、共働きで安定した収入を確保しながら計画的に資産形成を行う「スーパーパワーファミリー」と呼ばれる層の存在も指摘されています。
これらの世帯に共通しているのは、必ずしも贅沢な生活を送っているわけではなく、収入の範囲で着実に資産を積み上げてきたという点です。
では、富裕層以外の一般的な世帯では、どのくらいの貯蓄があるのでしょうか。
3. 【年代別】貯蓄額の平均と中央値はいくら?20歳代から70歳代までを比較
この章では、金融経済教育推進機構の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」のデータをもとに、年代別の貯蓄状況を詳しく見ていきましょう。
3.1 単身世帯の平均貯蓄額(20歳代〜70歳代)
はじめに、単身世帯の貯蓄額に関するデータを見ていきます。
- 20歳代:平均値255万円・中央値37万円
- 30歳代:平均値501万円・中央値100万円
- 40歳代:平均値859万円・中央値100万円
- 50歳代:平均値999万円・中央値120万円
- 60歳代:平均値1364万円・中央値300万円
- 70歳代:平均値1489万円・中央値500万円
全体的に見ると、年齢が上がるにつれて貯蓄額も増加する傾向にあります。
特に60歳代では中央値が大きく伸びており、退職金の受給などが資産額を押し上げている可能性が考えられます。
3.2 二人以上世帯の平均貯蓄額(20歳代〜70歳代)
次に、二人以上世帯の平均貯蓄額について見ていきましょう。
- 20歳代:平均値525万円・中央値125万円
- 30歳代:平均値1096万円・中央値311万円
- 40歳代:平均値1486万円・中央値500万円
- 50歳代:平均値1908万円・中央値700万円
- 60歳代:平均値2683万円・中央値1400万円
- 70歳代:平均値2416万円・中央値1178万円
二人以上世帯の貯蓄額は、平均値と中央値のいずれも単身世帯より高い水準となっています。
また、このデータには子育て中の世帯も含まれており、教育費など将来に向けた備えとして貯蓄を重視する傾向があることも推測されます。
4. 資産形成を成功させるために意識したいポイント
これまでのデータで確認したように、純金融資産1億円以上を持つ富裕層は日本全体では数%と少数派ですが、その数は増え続けています。
では、これから資産形成を進めていく上で、どのような点を意識すると良いのでしょうか。
大切なのは、単に収入が高いことだけではなく、得た収入の中から計画的に資産形成を継続する習慣を身につけることです。
実際に、富裕層の中には共働きで安定した収入を確保し、長期間にわたって着実に資産を築き上げてきた世帯も存在します。
さらに、近年の富裕層増加の一因として金融資産の価格上昇が挙げられることから、資産運用によって「お金に働いてもらう」という考え方も重要になります。
もちろん、目標とすべき資産額や資産形成のペースは、個々の年収、家族構成、ライフプランによって大きく異なります。
他人と比べるのではなく、「毎月いくら貯蓄に回すか」「将来のためにどのような資産を積み立てるか」を具体的に考え、自分に合った方法を続けることが成功への鍵です。
まずは家計を見直し、無理のない範囲で貯蓄や資産形成を始めることが、将来の経済的な安心を手に入れるための第一歩となるでしょう。
5. シニア世代の生活意識調査|「生活費が苦しい」と感じる人の割合は?
物価の上昇が続いている現在、シニア世代は日々の生活についてどのように感じているのでしょうか。
最後に、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、シニア世代の生活に関する意識調査の結果を見ていきます。
5.1 60歳代・70歳代の二人以上世帯における生活意識
- 60歳代:33.6%
- 70歳代:26.5%
5.2 60歳代・70歳代の単身世帯における生活意識
- 60歳代:50.7%
- 70歳代:35.5%
世帯構成別に見ると、二人以上世帯に比べて単身世帯の方が、老後の生活費に対してより強い不安を感じている傾向がうかがえます。
6. まとめ:富裕層は増えているが、大切なのは自分に合った資産形成
この記事では、日本における富裕層・超富裕層の割合や、年代別の平均貯蓄額と中央値について詳しく解説しました。
純金融資産1億円以上を保有する世帯は増加傾向にありますが、依然として日本全体の中では少数派であることがわかりました。
また、一般世帯の貯蓄額は年代や家族構成によって大きく異なり、平均値と実態に近い中央値との間には乖離が見られます。
資産形成の目標やペース、必要な老後資金は人それぞれです。そのため、他人と比較するのではなく、自身の家計状況に合わせた計画を立てることが何よりも重要です。
将来の安心した生活のために、まずはできる範囲から貯蓄や資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- LIMO「【純金融資産1億円以上】富裕層ピラミッドの上位層はどれくらい?日本の「富裕層・超富裕層」の割合を確認」
菅原 美優