4日続伸、1か月ぶりに17,000円台に回復

2016年3月4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比54円62銭高の17,014円78銭となりました。今年初めての4日続伸です。終値が17,000円台を回復したのは、2月8日以来で、約1か月ぶりです。

先週末に中国の上海で開かれた20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、市場の安定化に向け「金融・財政すべての政策手段を用いる」と、各国が政策を総動員し、世界経済の成長を支える姿勢を打ち出しました。世界経済の先行きへの不安が和らいだと言えます。

米景気は、先週末に発表された昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)改定値が上方修正されました。また、2月のISM非製造業景況感指数は小幅低下ながらも市場予想を上回りました。原油の価格も横ばいといったところです。

日本時間の3月4日の晩には米雇用統計が発表され、来週には、ECBの理事会およびドラギ総裁会見が行われます。これらの影響も考慮すべきですし、先行きについては慎重な見方もあるようです。ただし、悲観的に売りに傾く材料もありません。足元では下値が堅く、戻りが期待できる状況です。

当面の下落の半値戻しである16,385円および25日移動平均線も突破

今週の動きをテクニカル面から見ると、3月2日には、前日の終値16,085円から窓を開け、始値が16,391円となりました。

それまで16,000円を挟んだもみ合いが続いていました。上値抵抗ラインは16,300円~16,400円あたりで、特に、2月1日の高値(17,905円)から2月12日の安値(14,865円)の間の下落の半値戻しである16,385円が意識されていましたが、それも突破し、2日以降は一度も下回ることがありませんでした。まさに、上値抵抗線がサポートライン(下値支持線)に切り替わったと言えます。

2日は25日移動平均線も突破しました。25日移動平均線はトレンドラインの上限付近とも重なります。このトレンドラインと25日移動平均線には、2015年12月1日以来、何度もトライしながらいずれも跳ね返されていましたが、ついに上抜けました。

参考:日経平均株価日足

2月1日の高値である17,905円が一つのポイント

今後の展開ですが、まず目標となるのは、2月1日の高値である17,905円です。ここから2月12日まで、大きな下降トレンドとなっていました。いわば、直近の下降トレンドのスタート地点です。このほか、目先の節目となる17,500円なども意識されるところです。

ただし、目線は上ながら、出来高などを見ると、急上昇するほどの強さはありません。いくつかの調整をへて上がっていくことが予測されます。

2月12日の安値(14,865円)と、3月1日の安値(15,857円)を結んだトレンドラインがサポートラインになりそうです。2日から4日にかけてローソク足の実体が徐々に小さくなっています。いったん、トレンドラインまでの戻りがあるかもしれません。押し目買いを狙っていきたいところです。

2月1日の高値(17,905円)を抜けると、さらに大きな目標も見えてきます。2015年12月1日の高値(20,012円)です。3月以上にわたる下降トレンドの「始まりの始まり」とも言えるポイントです。

12月1日の高値(20,012円)から1月21日の安値(16,017円)の間は、19,000円前後に若干のもみ合いがあったものの、するすると落ちてしまいました。逆に言えば、戻しの際の節が少なく視界が開けている状態で、短期間で戻ることもあり得ます。

【2016年3月4日 下原 一晃】

■参考記事■

>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

>>ネット証券会社徹底比較:株も投資信託も気になるあなたへ

>>REIT(リート)ファンドは既存資産運用への隠し味

下原 一晃