管理職になると、自分の実績だけではなくチームとしてのパフォーマンスを評価されるので、上司としては部下のやる気を引き出すことが大切になります。特に最近はパワハラ扱いされないか心配したり、すぐ辞めてしまう若者の扱いに苦労しているケースも多いのではないでしょうか。部下を育てるうえで気をつけたいことを紹介します。

上司にこう言われると疲れが倍増

養命酒製造が東京都で働く20歳~59歳のビジネスパーソン1,000人に対して行った「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2018」によると、上司の言葉によって疲れが倍増した経験を持つ男女は41%にのぼりました。

実際に言われて「疲れが倍増した」と感じた言葉ベスト10は以下の通り(複数回答可)です。

1位・・・「常識でしょ」/「当たり前でしょ」(24.4%)
2位・・・「前にも言ったよね?」(23.9%)
3位・・・「まだ終わらないの?」/「仕事遅いね」(21.0%)
4位・・・「そんなこともできないの?」(20.7%)
5位・・・「やる気あるの?」(17.3%)
6位・・・「自分で考えてやれ」&「勝手にやるな」(15.9%)
7位・・・「仕事だから」/「プロなんだから我慢してやって」(15.4%)
8位・・・「暇そうだね」(14.9%)
9位・・・「忙しいから後にして」&「なんで早く言わないの?」(13.4%)
10位・・・「前例がないから」/「慣習だから」(10.7%)

1位の「常識でしょ」という言葉は、何気なく使ってしまいそうですが、社会人になったばかりの若者や10歳以上離れている部下の場合、本当に知らない・学んでこなかったということもあるかもしれません。部下に対して常識や慣習を振りかざして相手を突き放す態度はとても嫌がられる可能性があるので、自分の常識を押し付けすぎないように気をつけることが大切です。

叱って育ててはいけないのか

では、叱って部下を育てるのは良くないのでしょうか。叱ることのメリットとしては、部下が失敗をしたときに再度同じミスをさせないよう戒める効果が高いということがあります。特に、危険なことや会社の損失に繋がるようなことの場合は、やさしい言い方よりも厳しく叱った方が心に響くこともあるでしょう。

ただし、上司が部下に対して叱る行為には強制力があるので、むやみに叱ることで部下が萎縮して、新しい柔軟な発想が生まれなくなるリスクもあるということは頭にいれておきましょう。

褒めて部下を育てる弊害

それなら逆に褒めて育てるというのはどうでしょうか。最近では強く叱るとパワハラ扱いされたり、失敗を強く指摘することでそれを苦に退職してしまったりということもあり、上司としてはマネジメントがやりにくくなっています。そのため、仕事に対するモチベーションを維持させるためにも褒めて部下を育てるというスタンスの上司も増えてきているようです。

ただし「やみくもに褒める」という育てられ方をした場合、忍耐力や主体性が身につかないということも。このような人は叱られ慣れていないので、大きな失敗をしてた時に必要以上に落ち込んでしまうかもしれません。叱りすぎるのも部下が萎縮してしまいますが、褒めて育てることにより部下のメンタルが弱くなってしまうことは、結果として上司の首を絞めることになってしまうでしょう。

部下を育て、やる気を保たせるには?