ところが光あれば影ありで、北海道でも同じランキングのワースト10に7つもの町がランクインしています。倶知安町の土地価格はワーストである古平町との土地価格の約9倍にもなっていますから、観光資源やアクセス、知名度といった観点を鑑みると、この差はますます広がっていくことでしょう。

土地価格の二極化でもあり、町や産業の二極化ですね。

図表2:全国市町村別・土地公示価格前年比上昇率ワースト10

出所:「土地データ」より筆者作成

もし田舎暮らし回帰でビジネスをするなら

ニセコや沖縄といった有名地域は既に多くの資本や人が入っていますし、ビジネスコストである土地代や賃貸料も上がっていますから、いずれブームも沈静化します。ですので、こういった人気エリアに今から新規参入するのはかなりリスクが高いと考えます。

もし、読者のみなさんが脱サラしてこういったリゾート地でビジネスを考えるのであれば、当初の投下資本はなるべく少なくするのが賢明です。もし私なら現在稼働中でそこそこお客さんがいらっしゃるが、後継者不足で売りに出ている旅館・民宿でワンシーズンすべて稼働可能な物件とか、大都市圏からアクセスが良い同様な温泉宿とかを探します。

ただし、こうした労働集約的ビジネスは1人ではできないので、いかに人を確保するかも考えなければならないところです。結局、土地が上がって人気エリアで儲かりそうだというだけでなく、流行り廃りもあるホスピタリティ産業でどう経営していくかをしっかり練っていかないとならないのです。

結局、経営力と根性が問われますね(笑)。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)