2019年に入って、世界的に株価はドッタンバッタン、おまけに金利も下落傾向で、プロでもどこに運用すべきか頭を悩ます状況です。最近では金価格も上昇し、現物資産への投資も話題になっていますね。
現物資産の代表格は不動産、特に日本人が大好きなのは土地です。土地自体はそれだけで収益を生むわけではありませんが、マンションやホテルを建てることで収益物件になりますので、バブル崩壊後でも場所が良ければ需要が高く、場所によっては価格も上がりやすいのです。
もっとも、そういった土地は値上がり前に目をつけなければ割安に購入できませんから、不動産投資を目論んでいる場合は、目利きとしての能力がかなり必要になるでしょう。
公示地価上昇率トップ1位、2位の町
さて、土地といえば東京銀座の鳩居堂前の地価がよく取り上げられますが、銀座がある東京都中央区の土地はさすがに高く、1平方メートルあたり822万円、1坪換算(3.3平方メートル)では2717万円です。畳2枚分の土地が2717万円ということですね。
ところが、地価の上昇率で見れば、なんと北海道の倶知安町(くっちゃんちょう)がトップです。図表1は全国市町村別土地価格前年比上昇率のトップ10ですが、北海道と沖縄県で9か所を占め、東京都は台東区の1か所のみです。
倶知安町はスキー場で有名なニセコを抱え今や世界的なリゾート地となりましたが、筆者が約10年前滑った際にもオーストラリア人と中国人スキーヤーがたくさんいました。
北海道育ちの筆者は子供の頃(約50年前)にもニセコには数回行った記憶がありますが、当時の印象は札幌からは遠く、交通アクセスも悪いバカでかいローカルスキー場といった風情で、まさかこのような世界的なリゾートになるとは想像できませんでした(今でも千歳空港から直行バスで3時間半くらいかかりますが)。
ベストテンで8か所を占める沖縄も折からの統合リゾートビジネス(IR)誘致期待で、土地が上がっているのでしょうね。沖縄は以前より観光が主要産業でしたし、モノにもコトにも事欠きませんから、多くの資本が入っているのでしょう。
土地が上がるのはいいことだが
もちろん北海道でも沖縄でも土地が上がることは、地域経済にとってはいいことだとは思います。固定資産税や事業税は増えますから、大歓迎といったところです。