女性にばかり家事負担がのしかかることで、多くの妻がその不満を持っている中、夫たちはその現状に何も感じていないのでしょうか。そこには複雑な思いがあるようです。
・「たまに育児に意見をすると『何もわかっていない』と頭ごなしに妻にいわれた」
・「妻の代わりに子供と遊ぼうと試みたが『ママがいい』と拒否」
・「自分なりに家事をしてみたが『今はそれじゃない』と文句をいわれた」
このように、いざやる気を出したものの要領を得ず、妻や子からの一言で心が折れてしまう夫も存在するようです。家事育児のコツがつかめないことで、仕事ならバリバリこなせるのに、という歯がゆさから「妻に任せてしまおう」と思ってしまう男心もわからなくはありません。
家事のできる夫は妻次第?
では、妻にとって夫が家事育児を苦手なままでいることは、長い目で見て得策でしょうか。短期的に見てしまえば、不慣れな夫に頼むことはかえって仕事が増えてしまうことも多数あります。しかし、イライラするからといってそれを態度に出し、夫のモチベーションを下げてしまうのは大変もったいないことではないでしょうか。
「やっぱり妻がやるほうがうまくいくから自分は参加しなくていい」そんな気持ちを持たれてしまったら、一生家事を分担することはできなくなってしまいます。最初から完璧に家事がこなせなくても、「ここを手伝ってくれたら助かる」「この二つのどちらかをお願いしたい」というような、夫がやる気を出せる範囲での依頼からはじめてみるのもおすすめです。自分で行動することで夫も次第に家事を覚え、レパートリーが増えてくれるのであれば、多少のやり方には目をつぶる。そんなこともときには必要となってきます。
いざというときのリスクヘッジにも
普段はメインで家事をするのが妻だったとしても、夫が自分で家事をした経験というのは、いざというときの保険にもなります。万一妻が倒れてしまったときや、急な仕事が発生してしまったときなど、夫もその経験から家事に挑む意欲がわいてきます。子供の病院への付き添いなどできるようになれば、かなりの戦力といえるでしょう。そうした経験を積んだ男性は自然と家事育児を分担している自覚が生まれ、「よき家庭人」へと変化してくれるのではないでしょうか。
また、リンナイ株式会社の調査結果によると、夫婦で家事を分担している人ほど「配偶者が好き」と答えています。これは調査した5ヵ国すべてで共通した結果であることから、家事の分担は、肉体的な負担を減らす効果があるだけでなく、夫婦円満も生む、すばらしい効果が見込めるようです。
LIMO編集部