4. 年金生活者支援給付金の請求手続きの方法

「年金生活者支援給付金」は勝手に受け取れるわけではありません。申請が必須となっているので手続き漏れがないように注意しましょう。

ここでは、該当する人が多い2つのパターンにわけて、請求手続きの方法を見ていきます。

4.1 ケース1:すでに年金を受け取っており、新たに対象となった方の手続き

  1. 毎年9月の第1営業日から、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。受け取った方は必要事項を記入し、切手を貼って郵便ポストに投函します。
  2. 締切日までに提出すると10月分まで遡って受け取れますが、それ以降になると、請求した月の翌月分からの支給となります。早めの手続きを心がけましょう。

※「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた人は、電子申請による提出も可能です。電子申請を行った場合、郵送での提出は不要です。

4.2 ケース2:これから老齢年金の受給が始まり、同時に対象となる方の手続き

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ7/8

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ

出典:日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」

  1. 受給権が発生する3カ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書(事前送付用)」が送付されます。こちらに「年金生活者支援給付金請求書」が同封されています。
  2. 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と一緒に年金事務所へ提出します。

4.3 翌年以降の手続きは原則不要になる点について

毎年手続きが発生するの?と思う方もいますが、一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り翌年以降の手続きは原則不要です。

※年金生活者支援給付金は、毎年度、前年の所得情報等に基づき、継続支給の判定が行われます。継続支給の判定結果は、毎年10月分(支払いは12月)から1年間反映されます。

5. 高齢者世帯の生活実態:半数以上が「生活が苦しい」と回答

高齢者世帯の半数以上は「生活が苦しい」と感じているというデータがあります。

高齢者の生活意識について調査した、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を参考に見ていきましょう。

上記調査によると、高齢者世帯の生活意識は以下のとおりです。

5.1 高齢者世帯の生活意識

  • 大変苦しい:25.2%
  • やや苦しい:30.6%
  • 普通:40.1%
  • ややゆとりがある:3.6%
  • 大変ゆとりがある:0.6%

「苦しい」と感じている世帯(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)の割合は55.8%に達しています。

また、「普通」と答えた人よりも生活が「苦しい」と感じている人のほうが多い状況です。

6. 自治体の「住民税額決定通知書」を確認し、世帯全員の課税状況を把握する

給付金制度の対象要件を満たしているかを確認し、未請求による損失を防ぐためには、インターネットの簡易試算に頼るのではなく、公的機関が発行する最新の課税書類を用いて世帯全員の正確な状況を点検する手順が有効です。

この記事を読み終えたら、ご自宅に保管されているご自身および同居家族の最新の「市町村民税・県民税の課税・非課税決定通知書」(※毎年6月頃に勤務先や自治体から配布される書類)をご用意ください。

そして、同一世帯の全員分の通知書にある「年税額(あるいは課税総額)」の欄を目視確認し、全員の数値が『0円(非課税)』であるかを照合してください。

もし世帯の全員が非課税であり、かつご本人が65歳以上で老齢基礎年金を受給しているにもかかわらず、過去に上乗せ給付が振り込まれていない場合、日本年金機構からの案内書の未着や見落としの可能性があります。

その場合は、お手元の「基礎年金番号」をご用意の上、管轄の年金事務所またはお近くの年金相談ダイヤルへ問い合わせを行い、自身の受給権の有無を確認してください。

客観的な課税データに基づき自身の権利を確認する行為こそが、複雑な申請主義の社会保障から家計を守り抜く実務的なアプローチとなります。

齊藤 慧

『基礎年金の上乗せ給付対象になっていたはずだが、日本年金機構から届いた緑色の封筒を広告だと思って破棄し、受給を逃していた』という方もいるのではないでしょうか。

本記事の解説が示す通り、2026年度に増額された年金生活者支援給付金は老齢給付で月額5620円の基準となりますが、自動で口座へ振り込まれることはなく、正確な申請手続きが必須です。特に老齢給付における『世帯全員の非課税要件』は誤解しやすいポイントです。

自身の年金額だけで判断せず、まずは世帯の課税通知書を確認すること。権利の見落としを防ぎ、計画的な収支管理を行うことこそが老後資産を堅実に守る防衛策と言えます。

参考資料