老後に向けた資産運用を始めたいと思っても、具体的に何から手をつければよいか分からず迷ってしまう、という声は少なくありません。

まずは自分がもらえる年金がどのくらいなのか、他の人と比べてどうなのかを把握することが、資産運用を考える最初の一歩になります。

1. この記事の3つのポイント

  • 厚生年金・国民年金の平均年金月額と受給額分布を確認
  • 将来の収支シミュレーションで老後資金の不足額を具体化
  • 投資信託・保険・NISAを組み合わせた無理のない運用スタイルを見つける

 

2. 現代のシニア世代の年金額はひと月いくら?

老後に受けとる年金額は、現役時代の働き方により決まるため個々で異なります。

ご自身が将来どれくらい受けとれそうか?見込額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認していくことになりますが、ここでは現代のシニア世代がひと月どれくらいの年金を受けとっているか実態を知り、年金暮らしをイメージしてみましょう。

2.1 「厚生年金」男女別平均年金月額・受給額分布

厚生年金の平均額(全年齢)1/2

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金の金額を含む

厚生年金では、全体の平均年金月額は15万289円という結果でした。男女の平均を比較すると、男性16万9967円、女性11万1413円で、6万円近い開きが見られます。

受給額分布を見ると、受給者数がもっとも多いのは10万円台後半から20万円手前にかけての層で、17万円以上18万円未満の受給者が103万人超と最多です。10万円以上20万円未満の層を合計すると700万人を超え、全体の受給者の中心的なボリュームゾーンになっています。

 

2.2 「国民年金」男女別平均年金月額・受給額分布

国民年金の平均額(全年齢)2/2

国民年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

国民年金の平均年金月額は全体で5万円台です。男性は6万円台、女性は5万円台と、4000円ほどの男女差が見られます。

受給額分布では「6万円以上7万円未満」の層が1715万人超と圧倒的に多く、大部分の受給者がこの範囲に集中しています。次いで多いのが7万円以上の層で、約300万人となっています。「6万円以上7万円未満」が満額に近い年金額であることから、多くの人が満額に近い金額を受け取っていることが読み取れます。

渡邉 珠紀
平均額だけを見ると心強く感じるかもしれませんが、実際には受給額に数万円単位の幅があります。ご自身がどのあたりの層に近いかを踏まえたうえで、平均に頼らず自分の見込額を確認しておくことが大切です。

3. 厚生年金・国民年金の平均額を踏まえて、老後の資産運用は何から始める?

Q:自分の年金の見込額がある程度分かっても、老後の資産運用は何から始めればいいのか分かりません。何から手をつければよいですか?

A:まずはご自身の将来の収支をシミュレーションし、不足額を具体的な数字にすることです。そのうえで、投資信託・保険・NISAなど複数の手段を組み合わせて考えることが、無理のない運用につながります。

預貯金だけでは将来が不安だと感じつつも、投資の経験がないために一歩を踏み出せない、という方は少なくありません。

漠然とした不安のまま先延ばしにするより、まずは不足額を数字で把握し、そこから運用と保障のバランスを考えていくと、次に何をすべきかが見えやすくなります。