公務員は「安定した職業」の代表格として知られ、就職先として高い人気を集めています。
実際に、親世代や祖父母世代を対象とした調査では、「子どもや孫に勤めてほしい企業」として地方公務員と国家公務員が上位を占めました。
しかし、一口に公務員といっても、国家公務員と地方公務員では仕事内容や勤務先だけでなく、給与や賞与の水準にも違いがあります。
本記事では、国家公務員と地方公務員それぞれの平均給与や職種別の給与水準を確認するとともに、ボーナスを含めた年収を比較し、実際にどちらの待遇が高いのかを見ていきます。
1. なぜ公務員は人気なのか?親世代・祖父母世代が期待する就職先とは
公務員は、就職先として根強い人気を集めています。
リスクモンスターが実施した「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査では、1位が「地方公務員」、2位が「国家公務員」となり、公務員が上位2位を占める結果となりました。
「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査の結果1/5
出所:リスクモンスター株式会社「第14回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査結果 ~公務員人気は継続、企業選びは「安定性」と「健全な働き方」を重視~」
また、勤務先に求める条件としては、「経営が安定している」「過重労働・ハラスメントがない」「やりがいがある」といった項目が上位に挙がっています。
こうした結果からは、親世代や祖父母世代が、将来にわたって安定して働ける環境を重視していることがうかがえます。
実際、公務員は景気の影響を受けにくく、雇用や待遇が比較的安定している職業として知られています。
そのため、就職先として高い支持を集めているのでしょう。
では、そのような人気を集める国家公務員と地方公務員の給与水準はどのくらいなのでしょうか。
次章以降では、それぞれの給与や賞与の実態について見ていきます。
2. 国家公務員の給与水準はどのくらい?
国家公務員の給与は、人事院が実施する調査や民間企業の給与動向などを踏まえながら見直されています。
人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員の平均給与月額は42万4979円となっています。
- 平均給与月額:42万4979円
・俸給:34万5458円
・地域手当等:4万4336円
・俸給の特別調整額:1万1810円
・扶養手当:8573円
・住居手当:7227円
・その他:7575円
給与の中心となる俸給は34万円台ですが、各種手当が加わることで平均給与月額は42万円台となっています。
なかでも地域手当等は4万4336円となっており、手当の中では比較的大きな割合を占めています。
2.1 職種によって給与水準は異なる
国家公務員の給与は、担当する職種によっても差があります。
- 行政職(一):41万4480円
- 行政職(二):33万7907円
- 専門行政職:46万1821円
- 税務職:44万2129円
- 公安職(一):39万9794円
- 公安職(二):42万4820円
- 海事職(一):46万3723円
- 海事職(二):39万1116円
- 教育職(一):48万8212円
- 教育職(二):46万7537円
- 研究職:56万4064円
- 医療職(一):86万880円
- 医療職(二):36万8522円
- 医療職(三):37万5323円
- 福祉職:39万5165円
- 専門スタッフ職:61万4766円
- 指定職:104万4184円
- 特定任期付職員:65万9198円
- 第一号任期付研究員:53万546円
- 第二号任期付研究員:42万1092円
一般的に国家公務員としてイメージされることが多い行政職(一)の平均給与月額は41万4480円です。
一方で、研究職や専門スタッフ職、医療職(一)、指定職などはより高い給与水準となっており、職種によって大きな差が見られます。
次章では、地方公務員の給与水準について確認していきましょう。
3. 地方公務員の給与水準はどのくらい?
地方公務員には、都道府県や市区町村の職員をはじめ、消防職員や教員、公立病院の医師、保育士など、さまざまな職種が含まれます。
総務省「地方公務員給与実態調査」によると、地方公務員の平均給与月額は以下のとおりです。
- 全地方公務員:41万6075円
- 一般行政職:40万2761円
地方公務員全体の平均給与月額は41万6075円となっており、市区町村や都道府県の役所で働く職員などが該当する一般行政職では40万2761円となっています。
国家公務員の平均給与月額が42万4979円であることを踏まえると、給与水準に大きな差は見られません。
また、地方公務員の給与も基本給だけで構成されるものではなく、地域手当や特殊勤務手当などの各種手当が含まれています。
一方で、地方公務員は勤務する自治体によって給与水準が異なります。
地域ごとの物価や生活環境の違いが反映されるため、都市部と地方では給与額に差が生じる場合があります。
次章では、国家公務員と地方公務員の給与を比較し、それぞれの違いを見ていきましょう。
4. ボーナスを含めた年収を比較するとどちらが高い?
月々の給与だけでなく、賞与を含めた年収ベースで国家公務員と地方公務員を比較してみましょう。
賞与を含めた年収ベースの比較5/5
出所:人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」、内閣官房「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」、内閣官房「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」、総務省「地方公務員給与実態調査」をもとに筆者作成
【国家公務員】
- 平均給与:42万4979円
- 賞与:140万8900円
- 年収:約650万8648円
【地方公務員】
- 平均給与:41万6075円
- 賞与:161万4265円
- 年収:660万7165円
※国家公務員の賞与は、令和7年6月期(約70万6700円)と12月期(約70万2200円)の期末・勤勉手当の平均支給額を合算。
※国家公務員の賞与額(夏・冬ボーナス)は、内閣官房の発表に基づく「管理職を除く行政職職員(成績標準者)」の平均支給額を合算したものです。一方、平均給与月額(42万4979円)は人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」に基づく全俸給表・全職員の数値であり、集計対象が異なります。
※地方公務員の賞与は、期末手当87万2164円と勤勉手当74万2101円の合計。
年収ベースで比較すると、地方公務員のほうがやや高い結果となりました。
両者の年収差は約11万円です。
平均給与月額は国家公務員のほうが高いものの、賞与額では地方公務員が上回っています。
賞与の合計額を比べると、国家公務員が140万8900円であるのに対し、地方公務員は161万4265円となっており、地方公務員のほうが約20万円高い水準です。
また、国家公務員の2025年6月期の期末・勤勉手当は約70万6700円、12月期は約70万2200円でした。
一方、地方公務員の賞与は、期末手当87万2164円と勤勉手当74万2101円を合わせて161万4265円となっています。
このように、年収差の主な要因は賞与額の違いにあることが分かります。
5. 年収は地方公務員がやや高いが、大きな差は見られない
本記事では、国家公務員と地方公務員それぞれの平均給与や職種別の給与水準を確認するとともに、ボーナスを含めた年収を比較し、実際にどちらの待遇が高いのかについて解説しました。
国家公務員は職種による給与差が大きく、地方公務員も自治体や職種によって待遇が異なります。
そのため、給与だけで就職先を判断するのではなく、仕事内容や働き方、勤務地、将来のキャリアなども含めて検討することが大切です。
公務員を目指す際は、自分に合った働き方ができるかという視点もあわせて考えてみるとよいでしょう。
参考資料
- リスクモンスター株式会社「第14回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査結果 ~公務員人気は継続、企業選びは「安定性」と「健全な働き方」を重視~」
- 人事院「令和7年 国家公務員給与等実態調査」
- 総務省「地方公務員給与実態調査」
- 内閣官房「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
- 内閣官房「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」
マネー編集部年収班