1. 国民会議(5月27日)各党の意見
令和8年(2026年)5月27日に開催された「社会保障国民会議 第12回実務者会議」では、「給付付き税額控除」の具体的な制度設計や給付への一本化を中心に議論が行われました。
各党、さまざまな意見があり、議論はまとまっていない印象です。
その主な原因として、議事要旨からは以下の4つの大きな認識のズレが読み取れます。
1.1 「給付一本化」は「給付付き税額控除」と言えるのか
自民党は、有識者会議の意見を根拠に、税や社会保険料を考慮して所得に応じた支援を行う「給付一本化」の制度も「給付付き税額控除」に含まれると整理し、早期実施を目指しています。
しかし、日本維新の会は「所得連動型給付制度という名前の方がふさわしいのではないか」とコンセプトに疑問を呈しています。
さらに日本保守党は、給付のみを税額控除の枠組みに含めるのは強引であり、「消費税減税をやらなくて済むようになったという結論への布石ではないか」と強い不信感を示しています。
1.2 「当面の実施」を急ぐか、「最終的な理想の姿」を先に見せるか
自民党が、中低所得の勤労者が働き控えをしなくて済むよう、まずは早期に制度を実施することが重要だと主張しています。
これに対し、日本維新の会、国民民主党、中道改革連合、立憲民主党の各党は、最終的に目指すべき「理想の制度」やゴールから逆算して現在の位置づけを示すべきだと強く反発しています。
ゴールが見えないまま制度をスタートさせると、結果的に中途半端なまま放置される「小さく産みっぱなし」になるのではないかという強い懸念が示されています。
1.3 ターゲットは「現役勤労者」か「所得が低い層」か
自民党は、生活保護などの既存制度があることを踏まえ、対象を広げて支援を薄めるよりも「中低所得の現役勤労者」に焦点を当ててインパクトを出すべきとしています。
一方で、中道改革連合、立憲民主党、公明党からは、資産がない低年金の高齢者や、106万円未満でも社会保険料を払っている人々など、制度の隙間に落ちてしまう人々への配慮とカバーを求める声が相次いでいます。
1.4 「消費税減税(食料品消費税ゼロ)」との位置づけと整合性
中道改革連合や立憲民主党は、給付付き税額控除の導入までの「つなぎ」として検討されている「食料品消費税ゼロ」について、将来的に税率を戻して給付制度へ移行する際に生じる「単純増税」への対応や、制度間の論理的な整合性を問うています。
また、日本保守党は、経済全体のパイを大きくするためには給付よりも中低所得者に恩恵が大きい「食料品消費税ゼロ」や積極財政こそを速やかに実施すべきだと根本から異なるアプローチを主張しています。