2. 【60歳代の年金月額】おひとりさまと夫婦でどれくらい違う?
では、老後の生活の柱となる年金額はどれくらいでしょうか。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均月額は次のとおりです。
2.1 国民年金と厚生年金の平均月額
- 国民年金(老齢基礎年金):全体5万9310円(男性6万1595円/女性5万7582円)
- 厚生年金(老齢厚生年金):全体15万289円(男性16万9967円/女性11万1413円)※国民年金分を含む
あくまで平均にはなりますが、単身世帯ではこの月額に近い額が世帯の主な収入になります。一方、夫婦のいる二人以上世帯ではそれぞれの加入状況により、2人分で世帯収入を考えることが大切です。
たとえば令和8年度の年金額改定後では、夫婦2人の標準的な厚生年金額は月23万7279円とされています。
3. おひとりさまと夫婦、それぞれの備え方の違い
60歳代から先を考えるとき、おひとりさまと夫婦では家計の組み立て方が少しずつ違ってきます。世帯のかたちに合わせて、収入と支出の見直しのポイントを整理しましょう。
3.1 おひとりさまは固定費の見直しを丁寧に
単身世帯は、住居費・通信費・保険料といった固定費が、世帯人員1人にすべてかかります。逆にいえば、固定費を1つでも下げれば、その分が家計にそのまま残ります。光熱費や通信費、保険の見直しなどを定期的に行い、毎月の支出を点検しておきたいところです。
3.2 夫婦は世帯収入を合算して見える化する
夫婦の場合、年金や貯蓄を「個人ごと」ではなく「世帯」で見ると、家計の輪郭がはっきりします。どちらに何の年金がいくら入る予定なのか。貯蓄は合計でいくらか。世帯のキャッシュフローを書き出すと、これからの暮らしの設計図が見えやすくなります。また、どちらかが1人となったときの家計についても考えたり、制度を調べたりもしておきたいものです。
3.3 どちらの世帯にも有効な制度を活用する
新NISAなどの税制優遇制度は、単身か夫婦かを問わず、長期・積立・分散で活用でき貯蓄を増やす選択肢のひとつになります。ただし、運用には元本割れのリスクがあるため、日常の生活資金は預貯金で確保しておくのが基本となります。
4. まとめにかえて
おひとりさまと夫婦では、60歳代の貯蓄額にも年金月額にも違いが見られました。
世帯のかたちに合わせて固定費・年金・税制優遇制度などを組み合わせ、自分の家計の現在地から少しずつ整えていく。また最近では長く働く方もいるので、仕事による収入も検討する。このように選択肢を複数持って都度確認し、対策をしていく積み重ねが、これからの暮らしを支えていくことでしょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」
- 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
宮野 茉莉子