2. 【最新動向】なぜ「現金給付」に一本化?3つの理由を解説

前述の通り、2027年度は税額控除は見送り現金給付のみで先行スタートする方向です。主な理由を解説します。

2.1 理由①:社会保険料負担が重く税額控除では効果を実感しにくい

中低所得者の給与から控除される所得税はあまり多くなく、給与の15%前後を占める社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料などの本人負担分)が手取り収入に大きく影響し負担感を感じる人が多いのが現状です。

そのため、税額控除で月々の所得税を軽減してもその効果はあまり実感できないと考えられます。まとめて現金給付したほうが、手取り収入のアップを実感しやすくなります。

2.2 理由②:企業の事務負担を軽減する

2024年の定額減税では、給与システムの変更や年末調整業務など企業に大きな事務負担が発生しました。法案が成立して詳細が確定するまでに時間を要するため、企業が2027年度実施に向けて事前対応する時間はほとんどありません。

また、小規模な企業ほど大きな負担となることが予想されます。このような企業の負担や混乱を軽減することも、税額控除を見送る理由の1つとされています。

2.3 理由③:現金給付の方が制度設計が容易である

現金給付は税額控除と比較して制度設計が容易で、早期かつ円滑な導入に向くと考えられています。また、過去にコロナ対策や物価高対策などで現金給付を行った実績があり、既存のシステムの活用も考えられるでしょう。